IDC Japanは7月16日、ソフトウェアとアプライアンス製品を含めた2012年の国内セキュアコンテンツ/脅威管理市場規模実績と2017年までの予測を発表した。

国内セキュアコンテンツ/脅威管理製品市場 機能別売上予測 (2012年から2017年) 資料:IDC Japan

これによると、2012年の同市場の市場規模は1,402億円で前年比成長率4.6%。国内経済の先行きが不透明なことからIT支出の抑制傾向が続く中、標的型攻撃や情報漏洩などの事件が相次いで発生したことや、スマートフォンなどモバイルデバイス向けのマルウェアが急増したことで、需要が高まった。

市場全体の7割超を占めるソフトウェアが、標的型攻撃やモバイルデバイスのマルウェアへの対策ニーズによって、2013年以降もエンドポイントセキュリティを中心に需要が高く、市場拡大をけん引。同市場の2012年から2017年における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.6%で、市場規模は2012年の1,402億円から2017年には1,671億円に拡大すると予測している。

2012年の国内エンドポイントセキュリティ市場は、コンシューマー市場が443億円で前年比成長率3.7%、企業向け市場が333億円で前年比成長率9.5%。コンシューマー市場は、モバイルデバイスへのマルウェア対策製品の導入が広がり、市場をけん引している。企業向け市場は、未知のマルウェアの増加によって、多層的な検出技術を搭載した製品へのリプレイス需要が高まるとみている。

またWindows XPのサポートが2014年4月に終了するため、Windows XPからのマイグレーションによって需要が拡大すると予測。国内エンドポイントセキュリティソフトウェア市場の2012年から2017年のCAGRはコンシューマー市場が3.1%、企業向け市場が4.4%で、2017年の市場規模はコンシューマー市場で517億円、企業向け市場で413億円と予測している。

2012年の国内セキュアコンテンツ/脅威管理市場においてネットワークセキュリティ市場が前年比成長率13.7%と最も高く、市場規模は272億円だった。ネットワークセキュリティ市場は、モバイルデバイスの普及によって、リモートアクセスネットワークのセキュリティ基盤としての需要が拡大している。また標的型攻撃への対策として、不正侵入防御製品へのニーズも高くなっている。同市場の2012年から2017年のCAGRは4.9%で、2017年の市場規模は346億円と予測。

IDC Japanでは、「セキュリティベンダーは、中堅中小企業から大企業までカバーできるように、クラウドサービスメニューの拡充化を図るべきである」と述べている。