鹿島建設は6月18日、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の企業向けクラウドサービス「Biz ホスティング Enterprise Cloud」を採用し、高いセキュリティを確保した上でBIMデータを保管、社内外で利用することができるプラットフォーム「Global BIM」(商標登録出願中)を構築、運用を開始したと発表した。

建築プロジェクトは複数の企業(顧客、設計、専門工事業者)による協業が基本となり、同社は2011年度から2年間で国内外70件以上のプロジェクトでBIM(Building Information Model)を活用してきた。

鹿島では、BIMソフトとしてグラフィソフトジャパンの「ArchiCAD」と「TEAMWORK(BIMサーバ)」を利用して、建物を可視化し、合意形成のためのシミュレーション、建築・設備の取り合い確認、施工段階における施工図作成、施工計画等に活用している。一方、BIMデータは容量が大きく機密性が高いため、データ共有が社内ネットワーク内に限られ、社外のプロジェクト関係者との協調作業が難しいという課題があったという。

今回、構築したプラットフォームでは、これまで社内ネットワークのみで共有していたBIMデータを、世界で初めて企業を超えたプロジェクト関係者間で共有することを可能にした。さらに、運用により、建物の事業計画段階から竣工後の維持管理まで、社内外の関係者によるBIMデータの一元管理を可能にする。

「Global BIM」を中心とした協調作業のイメージ

Global BIMの構築にあたっては、NTT Comの「Biz ホスティングEnterprise Cloud」を採用。NTT Comが保有するグローバルネットワークを介して海外のデータセンターへのバックアップが可能なほか、サーバやネットワークのリソースを、ユーザ自身がWeb上の管理画面を通して簡単に変更でき、計画段階から施工、竣工後の維持管理まで一貫して、BIMデータを一元的に管理できる。

鹿島建設では本年度から全てのBIMプロジェクトで「Global BIM」を運用、BIMのグローバル展開の基盤として海外プロジェクトにおいても活用を予定している。