フレンテは6月18日、口腔内のプロバイオティクスとしての機能を持つ乳酸菌として知られる乳酸菌LS1(Lactobacillus salivarius TI2711)を含有した錠菓を服用し、歯肉縁下プラーク中よりう蝕の発生に関与するとされている乳酸菌「L.salivarius」が検出された時、歯肉縁下プラーク中の歯周病原細菌P.gingivalisが有意に減少することを確認したほか、口腔内の治療や清掃を行い、菌数を減少させた後に乳酸菌LS1含有錠菓を服用することで、効果的に乳酸菌LS1が歯肉縁下プラーク内に定着する可能性が高いことを発表した。

同成果は同社ならびに東海大学医学部感染症研究室の古賀泰裕 教授らによるもの。詳細は2013年5月30日に開催された「プロバイオティクスシンポジウム2013」にて発表された。

今回の実験は、LS1に加え、口腔内に有用なキシリトール、ハイドロキシアパタイトを配合した錠菓を用いてヒト臨床試験を実施し、有用性の検討を行ったというもの。

具体的には、服用開始前の時点でL. salivariusが歯肉縁下プラークから検出されない被験者39名に対し、LS1、キシリトール、ハイドロキシアパタイトを配合した錠菓を12週間連日服用してもらい、服用開始前、開始4週後、12週後と服用中止4週間後に歯科検診を行い、臨床パラメータの測定と歯肉縁下プラークの採取を行ったという。

それぞれのタイミングで歯肉縁下プラークから細菌DNAを抽出し、Real-time PCRでPorphyromonas gingivalis菌数、L. salivarius菌数を測定した。服用開始4週時点でL. salivariusが検出された群(n=20)と検出されなかった群(n=19)に分けたところ、検出された群では4週から12週の間で、歯肉縁下プラーク中のP.gingivalis菌数が有意に減少したが、検出されなかった群では有意な増減は見られなかったほか、両群の4週から12週のP.gingivalis菌数変化を比較したところ、両群間で有意差が認められたという。

これらの結果は、LS1含有錠菓が、服用後にL. salivarius菌数が増加した場合、口腔内に対して有効であることを示唆するものであると研究グループでは説明しており、今後も歯周病原細菌P.gingivalisを減少される効果のあるLS1の口腔内における定着率を向上させ、口腔内環境改善・歯周病予防につなげることが可能な、プロバイオティクスを応用した研究を進めていくとしている。