IBM、STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)および Shaspaは25日、製造メーカーおよびサービス・プロバイダの革新的スマート・ホーム・ソリューションの提供に向け、クラウドおよびモバイルコンピューティングの活用に関し協力することを発表した。

ラスベガスで開催された世界最大の家電製品の展示会において、3社はSTのホームゲートウェイと接続され、ビジネスパートナーであるShaspaのソフトウェアを搭載し、IBMのクラウドと通信しているテレビのデモを行った。同システムは、各種センサにより、室温や二酸化炭素濃度、人の動きなど家庭内の状態を検知し、無線もしくはバッテリ不要のIPv6ネットワークを通してモニタができる。

また、スマートフォンやタブレットからワイヤレスルータ経由でデータ通信でき、これにより、居住者は自宅を管理するための負担の大部分をクラウドに任せ、各種イベントや時間に基づく事前設定シナリオを利用し、システムと情報をやりとりをする。

本プロジェクトにおいて、STのホームゲートウェイとShaspaの内蔵ソフトウェアは、家庭とIBM SmartCloud Service Delivery Platformのクラウドサービスを繋ぐ役割を果たす。これにより、スマートデバイスの管理や新たな消費者向けサービスの展開に向けたクラウドプラットフォームが電子機器メーカーに提供される。

STiH416をベースとしたこのホームゲートウェイは、「モノのインターネット」と接続・通信するための物理的接続、プロビジョニングおよび管理ミドルウェア、アプリケーションプロトコル、インタフェースを提供する。コネクテッドホーム用システムオンチップである同製品は、Linuxなどのソフトウェアと、業界標準規格OSGiに準拠するサービス管理システムを実行できる。

ゲートウェイとクラウドサービス間のオペレーション用インフラストラクチャは、ShaspaのGUIおよびアプリケーションソフトウェアによって提供される。内蔵されているShaspaソフトウェアのモバイルインタフェースと組み合わされたIBM Worklightは、消費者が携帯型機器から住宅を制御・管理することを可能にするモバイル用アプリケーションプラットフォームとなっており、アプリケーションの構築、アプリと住宅内の各種センサの接続、各種イベントの管理に使用される。モバイル機器へのデータ転送には、MQシリーズやWorklightといったIBMのソフトウェアが利用される。クラウドに取り込まれたデータは、高度な分析を用いた新たな考察に役立てられる。

3社は、今回のイニシアチブを通し、消費者が生活管理を行うアプリを搭載した電子機器を用いて、家庭の消費電力の確認、防犯システムや暖房・照明システムの管理、洗濯機等の生活家電の起動、健康状態および介護状況のモニタ、電子商取引の実行等が可能になると予測し、移動が困難な人がテレビに向かってジェスチャすることで、玄関ドアの開閉、暖房温度の調整、健康状態の確認等が可能になる。