ファンケルは、セリンの抗うつ効果について検証した結果、セリンを摂取することで、うつを軽減する可能性があることを明らかにしたと発表した。

同成果は同社と九州大学(九大)大学院農学研究院 古瀬充宏 教授との共同研究によるもので、詳細は2012年9月28日~29日に開催された日本アミノ酸学会による「第6回 学術大会」にて発表された。

セリンは、非必須アミノ酸の一種で、胎児脳の発達や神経栄養因子として「脳にとっての必須アミノ酸」と言われている物質だが、ヒトでの有効性・安全性についての信頼できるデータはこれまでほぼないという。同社ではこれまでの研究で、セリンによる抗不安効果および催眠効果を確認してきており、自社製品への配合などを行ってきたという。

今回の研究では、九大にて、うつ様モデルのラットにセリンを1回与えた後、水泳試験を行い、不動時間を測定することで、うつ行動を評価したほか、セリンを含有した水または含有していない水を長期間(1カ月)与えた後でも同じ様なうつ行動の評価を行った。

この結果、セリンを1回与えた場合、ならびに長期間与えた場合のいずれにおいても、与えていない場合に比べて不動時間が短くなることが確認され、セリンを摂取することでうつ症状が軽減される可能性があることが判明したという。

なお、同社では、今後もセリンの持つ効果を探索していく研究を行っていくとしている。

左がセリンを1回与えた場合のうつの評価。右がセリンを長期間与えた場合のうつの評価