カルピス 発酵応用研究所は、自社が保有する乳酸菌ラクトバチルス・アミロボラス CP1563株に、体脂肪を低減する作用があることをヒト試験で確認したことを発表した。同成果の詳細は2012年10月11日~12日に開催された「第33回 日本肥満学会」で発表された。

CP1563株は脂質代謝を促進する核内受容体「PPARα」の活性化能が高いことから選抜された同社保有の乳酸菌で、これまでにも、肥満モデルマウスに同乳酸菌の破砕菌体を摂取させると、血中脂質代謝が改善することなどを確認してきている。

今回の研究は、ヒト試験で、CP1563株の破砕菌体摂取による体脂肪低減作用が認められたほか、体脂肪高値者において、腹部体脂肪面積の減少作用が認められたというもの。

具体的な試験方法は、HDL-コレステロールが40mg/dL以下かつBMI28以上の成人男女40名(平均年齢47.4±11.5 歳)を2グループに分け、CP1563株の破砕菌体200mgを含むカプセルまたは含まないカプセル(プラセボ)を12週間摂取してもらい、体脂肪率ならびに腹部脂肪面積などを測定するというもの。

この結果、CP1563株破砕菌体の摂取群はプラセボ摂取群と比較して、体脂肪率の推移に有意(P<0.01)な差が認められたという。

体脂肪率の推移

また、腹部CTスキャンによる体脂肪面積測定の結果、CP1563株破砕菌体の摂取群はプラセボ摂取群と比較して、体脂肪面積が低下する傾向が認められたほか、摂取前の体脂肪の多い方は 体脂肪面積が減少しやすいことが判明したという。

体脂肪高値者の12週間後の体脂肪面積の変化量

なお、同社では今後もCP1563株の脂質代謝に関する有効成分の研究やヒトにおけるさらなる検証を進めることで、乳酸菌を活用した健康価値の創造を進めていくとしている。