複数のPCから同時アクセス時のパフォーマンス(2Gbps)

1Gbpsでパフォーマンスが十分に発揮できないとなると、真っ先に思いつく解決策は10Gbps接続かもしれない。しかし、10Gbpsに対応しているスイッチもずいぶん安くなったとは言え、それなりのコストがかかる。できるだけコストをかけずにネットワークインタフェースのボトルネックを解消するのであれば、先ほど紹介したリンクアグリゲーションが有効だ。

ReadyDATAを1Gbps×2のリンクアグリゲーションで接続した場合のベンチマークを行ったところ、次のような結果になった。

図8 複数のPCから同時アクセス時のパフォーマンス(2Gbps)

この結果から、単体時と同時アクセス時でのパフォーマンスがほぼ同等になっていることがわかる。つまり、リンクアグリゲーションにすることで、ReadyDATAのネットワークインタフェースのボトルネックが解消されているのだ。ネットワークがボトルネックになることがなければReadyDATAに複数のPCから同時アクセスしたとしても、パフォーマンスが低下することがないのである。

複数のPCから同時アクセス時のパフォーマンス(10Gbps)

上記の検証により、リンクアグリゲーションによってネットワークのボトルネックが解消されることがおわかりいただけたと思う。ただし、前述のとおりReadyDATAは10Gbpsにも対応している。せっかくなのでそちらで接続した場合のベンチマークも行った。以下がその結果だ。

図9 複数のPCから同時アクセス時のパフォーマンス(10Gbps)

ご覧のとおり、10Gbpsのインタフェースはボトルネックになることはなく、単体アクセス時およびリンクアグリゲーション時とほぼ同等のパフォーマンスとなっている。

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繰り返しになるが、昨今のクライアントPCは1Gbpsの接続が当たり前になっていることから、最近ではネットワークインタフェースがボトルネックになってしまうことが多い。ネットワークインタフェースがボトルネックになってしまえば、いくら高性能のReadyDATAを導入しても、十分なパフォーマンスを発揮することができない。今回の検証では、1Gbps×2のリンクアグリゲーションでボトルネックは解消できたが、実際の運用環境ではもっとたくさんのクライアントPCから同時アクセスされることも考えられる。そうなると、リンクアグリゲーションでもボトルネックになってしまう恐れがある。

ReadyDATAは標準で10Gbpsのインタフェースを持っているので、接続クライアント数が多い環境では10Gbpsで接続することを推奨したい。ネットギアは10Gbpsに対応しているスイッチも提供しているので、合わせての導入が効果的だろう。10Gbpsでの接続によって、ReadyDATAはその性能を十分に発揮できるようになる。

なお、ReadyDATAはiSCSIをサポートし、IP-SANを構築することもできる。次回は、iSCSIを利用したReadyDATAの利用について紹介する予定だ。