モバイル環境からのクラウド利用、普及のカギはLTE? - IDC Japan調査

IDC Japanは9月18日、国内企業の通信サービス利用に関する調査結果を発表した。同社では、同様の調査を毎年実施しており、同調査は通算8回目となる。

今回の調査では、企業におけるクラウドやモバイルの利用が増えている背景を踏まえ、クラウドやモバイルに関連する調査項目を大幅に増やした。特に関心の高い"モバイル環境からのクラウド利用"については、SaaS/パブリッククラウド、そして仮想デスクトップといった比較的新しい2つの用途において、各々固定回線およびモバイル回線の回線環境についてエンドユーザーからの不満やクレームがどの程度あるのか調査した。

利用形態問わずユーザの不満は高い現状

調査の結果、どの利用形態でも、回線環境についてエンドユーザーからの不満やクレームが「よくある」または「ときどきある」と回答した企業の合計が半数を超え、データ通信サービス越しにクラウドサービスや仮想デスクトップを利用する場合、エンドユーザーからのクレームや不満が少なくないことが分かった。

モバイル端末からの利用の方が満足度は低い

固定回線とモバイル回線別では、SaaS/パブリッククラウドと仮想デスクトップの両方で、モバイル回線のほうがエンドユーザーからの不満やクレームが多い結果となっている。特に、仮想デスクトップをモバイル回線越しに利用する場合、エンドユーザーからの不満やクレームが「よくある」と回答した企業は回答企業の半数を超えており、固定回線よりも大幅に高い結果となっている。

LTEの普及が不満解消のカギか

同社ではこの結果を受けて、「モバイルデータ通信サービスを利用する企業の多くにとって、現在利用している3G回線のユーザーエクスペリエンスは必ずしも満足できるものではない。しかし、高速、低遅延のLTEではエクスペリエンスへの不満が大きく改善されていくだろう。モバイルとクラウドを組み合わせた利用形態の本格的な普及には、LTEの普及が待たれる」と述べている。