NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡は、地球の3分の1の大きさと考えられる星を検知した。この太陽系外惑星候補の星はUCF-1.01と呼ばれ、わずか33光年の彼方に位置し、太陽系に最も近い惑星の可能性がある。

太陽系外惑星とは、太陽よりもはるか彼方先にある星を周回しているものだ。これまでに発見された太陽系外惑星で、地球より小さいものはわずかしかない。UCF-1.01は、宇宙望遠鏡で初めて確認されたもので、このことは、潜在的に生命体が存在する可能性がある、地球規模の惑星をスピッツァーが発見する可能性を示すものである。UCF-1.01のように小さな近傍惑星を確認することは、今後より高度な機器を使って、惑星の特徴を見極めることにつながるかもしれない。

今回発見された星「UCF-1.01」の想像図。過去に記録された星の中でも最少とされるこの星は、地球の3分の1程度の大きさと考えられている。太陽からわずか33光年しか離れていないこの星は、太陽系に最も近い惑星の可能性がある

UCF-1.01は、研究者が海王星と同等の大きさの太陽系外惑星で、赤食矮星GJ436の周囲に存在する「GJ436b」を研究していた時に偶然発見されたもの。スピッツァーが取得したデータの赤外線の量に、わずかな減少があることに気づいたのがきっかけだ。スピッツァーのデータ記録を見返したところ、この減少は周期的に起こっていたため、GJ436bとは別の惑星が存在する可能性が浮上した。

今回の観測には、太陽系外惑星の検知に欠かせない「トランジット法」と呼ばれる技術が用いられた。その結果から、UCF-1.01は直径8,400キロメートル(地球の3分の1)で、地球の時間にして1.4日でGJ436の周囲を一周していることが判明した。水星から太陽までの距離よりもずっと近い位置にある点を考慮すると、UCF-1.0の表面温度は摂氏600度以上と考えられる。もし過去に大気が存在したならば、ほぼ確実に、すでに蒸発しているだろう。また、惑星の表面が溶けてしまっている可能性も考えられる。ある研究者は、「惑星の表面がマグマに覆われている可能性もある」と語った。

UCF-1.01に加えて、別の惑星「UCF-1.02」の存在を示すヒントも確認されており、スピッツァーの観測でこれらの新しい2つの惑星の存在を示す証拠を複数回確認している。だが、惑星の大きさが小さすぎるため、最高性能をもつスピッツァーでさえ、その質量を測定することは不可能である。質量を明らかにすることが発見の確証となるため、研究者らは今のところ、これらの惑星を「太陽外惑星候補」と呼んでいる。

NASAのケプラー宇宙望遠鏡では、惑星系を持つとされる候補として約1,800もの星を特定してきた。そのうち、わずか3つの星だけが、地球より小さい太陽系外惑星を持っていることが確認されている。その中でも、今回のスピッツァーの発見によって候補に挙がっている惑星よりも小さいものはひとつだけで、火星と同程度の直径(地球の57%)だと考えられている。NASAの科学者は、「将来的に、スピッツァーは火星よりも小さな太陽系外惑星を見つけられるかもしれない」とコメントした。