NECとシステム開発は、宮崎県の3町(都農町、川南町、高原町)と熊本県錦町に対し、基幹業務システムをクラウドで提供するサービスを3月より提供開始していると発表した。複数の地方公共団体が、県域を越えて基幹業務システムをクラウドサービスで共同利用するケースは、全国で初となる。

4町は、NECが地方公共団体の基幹系・内部系業務システム(住民情報・財務会計・人事給与など)をデータセンターからクラウドサービスとして提供する「GPRIME for SaaS」の住民情報・税務・国保/年金などの住民情報システムや財務・会計など、26の業務システムをサービスとして利用する。

4町が利用するシステム機能

4町はこれまで、それぞれ独自に基幹システムを構築・運用していたが、同サービスの導入にあたり、従来の業務プロセスの見直しと標準化を図り、TCOの22.5%を削減した。また、データセンターを利用することで情報漏洩のリスクを抑え、機器やネットワークを二重化することで、災害時の事業継続性を確保する。さらに、これまで自前のシステム運用にかかっていた職員のリソースを住民サービスの強化に活用することで、一層の住民満足度向上を目指す。

「GPRIME for SaaS」のネットワークを通じたサービスの利用イメージ

なお、県域を越えるネットワーク環境には、本年度から稼動開始している第三次総合行政ネットワーク(LGWAN)を利用し、高いセキュリティを確保しながら、高速通信によるクラウドサービス利用を行っている。

4町による県域を越えてのクラウドサービス導入は、平成23年度「自治体クラウド・モデル団体支援事業」に指定されており、WEB会議やグループウェアなどを活用し、効率的にサービス導入を実現した。今後4町は、他の団体へも参加を呼びかけ、利用団体の増加を期待している。