アドビ システムズが2011年11月より提供を開始したタッチスクリーン用アプリ「Adobe Touch Apps」。本アプリは「Adobe Photoshop Touch」、「Adobe Collage」、「Adobe Debut」、「Adobe Ideas」、「Adobe Kuler」、「Adobe Proto」という6種類のAndroidアプリで構成されている(iPad対応版も今後リリース予定)。今回は、これら6つのアプリの中から「Adobe Collage」(850円)をピックアップし、その魅力や実際の使い勝手などについて紹介していこう。

複数の素材を自在にコラージュ!!

「Adobe Collage」は、Adobe Touch AppsやCreative Suiteなどで作成された複数の素材(イメージ、図、テキスト)を、タッチ操作により自由に切り貼りしながら組み合わせ、ひとつのイメージボード(ムードボード)として統合することができるアプリ。

コラージュによりまったく新しいアイディアや作品を生み出すことができる「Adobe Collage」。必要システム構成は、OSがAndroid 3.1以上、画面サイズが8.9インチ以上、画面解像度が1,280x800以上、カメラ搭載(推奨)など

最初にアプリを起動した際に表示されるホーム画面には、「Get Started」、「Motion Graphics」、「Production Designer」といった3つのコンテンツがあらじめ用意されおり、それぞれのコンテンツは、アプリの機能紹介と共に、操作などの手順を同時に学ぶことができるチュートリアル的役割も果たしてくれる。また、ホーム画面にて新規プロジェクトの追加や保存、管理、Adobe Creative Coludとの連携なども行えるようになっている。

様々な素材で構成されているコラージュ作品をプロジェクトごとに管理できる。Adobe Creative Coludへの保存だけでなく、タブレット本体内のギャラリーにも画像を保存可能だ

新たにプロジェクトを開始したら、画面右下に表示されたアイコンをタップして、コラージュのベースとなるイメージボードのバックグラウンドイメージ(全9種類)およびバックグラウンドカラーを選択する。これら背景の要素は、作品の制作途中でも変更が行えるので、素材の組み合わせや状況により、最適なものを適宜選ぶようにすると良いだろう。

メイン編集画面は、右側の背景選択ツールをはじめ、左側には素材追加、テキスト、ドローなどのツール、上部には編集用メニュー、削除、共有、フルスクリーンといった各種アイコンが配置されている

イメージボードに対して、素材の読み込みを行うには、画面右側の「素材追加」アイコンをクリックする。Adobe Touch Appsで作成されたファイルはもちろん、GoogleやFlickrで画像を検索して読み込んだり、PDFファイルやAdobe PhotoshopおよびIllustratorのファイルをAdobe Creative CloudにアップロードすることでAdobe Collageへのインポートも可能となっている(レイヤーおよびページ別読み込みにも対応)。さらに、読み込まれた画像をダブルタップすることで、画像編集モードへ移行し、指先でなぞるだけでトリミングやマスクを素早く設定したりすることもできる。

各種素材の切り貼りだけでなく、ツールパレットに用意された「テキスト」ツールにより様々なフォントのテキストを追加したり、「ドロー」ツールにより複数の種類のペンを使用して自由に書き込みが行える

完成したコラージュ作品は、そのファイル(.colz)をAdobe Creative Cloudにアップロードすることで、Photoshop CS5で開いて(PSDファイルに自動的に変換)、さらに編集しブラッシュアップすることも可能だ。直感的な操作で、自由かつ簡単に複数の素材を組み合わせられる「Adobe Collage」は、まったく新しいコラージュ作品を生み出すだけでなく、アイデアやコンセプトを具現化し、より明確なものにするためのブレインストーミング、クライアントとのミーティングなどの際にも最適なアプリといえるだろう。