ノークリサーチは12月19日、2011年度上期の国内PCサーバの出荷状況の分析結果を発表した。これによると、同市場はインフラ系中心に6.7%の成長を遂げ、台数で前年比6.7%アップの26万7,852台、金額で前年比7.1%アップの1,466億円となった。

国内PCサーバ市場推移(出荷台数ベース) 資料:ノークリサーチ

台数別のシェアでは、NECが24.8%で昨年に引き続きトップだった。キャリア系とデータセンター系には直販で千数百台規模の大口案件があった一方、まだ需要が戻り切れていない製造業、官庁系に目立った大口案件はなかったが、ネット系企業などの好調な業界での実績とチャネル販売力と既存ユーザーが同社の上期実績を底支えになっているという。

2番手の日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は前年度の3位から順位を上げ、23.5%とシェアを再び高めている。3番手は富士通でシェア21.1%で、2位日本HPとの差はわずか2ポイントとなっている。以下、デル(10.5%)、日本アイ・ビー・エム(9.4%)、日立製作所(5.5%)と続く。

2011年度上期のPCサーバメーカーシェア 資料:ノークリサーチ

2011年度前半は東日本大震災の影響、円高、株安、デフレ、国内景気の低迷、グローバル経済の停滞など厳しい外的要因が多かったが、国内のサーバ需要は、好調なネット系ビジネスのための導入、クラウド化推進のためのデータセンタへのコンスタントな需要、統合・集約・仮想化への企業需要は堅調だった。

この動きは下期に入ってからも継続しているが、一般企業へのサーバ需要は、景気の回復待ちといった外的な要因が大きいという。さらに、タイの洪水によるHDD工場の被害は、サーバの部材調達に影響が出る可能性も考えられ、今後のサーバ需要にどのような影響を及ぼすのかは不透明な状況となっている。しかし、同社はそれを踏まえても2011年度は54万台市場まで戻すことが見込まれるとしている。