JSRは、米国の半導体製造技術研究組合「SEMATECH」と共同で、EUVリソグラフィを用いて15nmハーフピッチのパターンが化学増幅型フォトレジスト(感光性樹脂)で形成できることを実証した。同成果の詳細は、米国フロリダ州マイアミ市で開催されるEUVリソグラフィ技術に関する国際会議「2011 International Symposium on Extreme Ultraviolet Lithgraphy」においてSEMATECHから発表された。

EUVの露光波長は13.5nmであり、現在の先端プロセス向けのArF露光装置(波長193nm)と比べ、高い解像度を実現できることから、プロセスの微細化ルールが32nm、28nm、22nmと進む現在、実用化への期待が高まってきている。しかし、現在、一般的に使用されている化学増幅型フォトレジストでは、感度は優れるものの、解像度においては19nmハーフピッチがこれまでの最も微細なパターンであった。

今回、JSRでは、露光によって発生する酸の拡散による解像度低下という化学増幅型フォトレジストの問題に対して、酸の拡散挙動の制御をはじめとする精密な材料設計を行うことで、15nmハーフピッチの解像が可能なEUV用化学増幅型フォトレジストを開発した。

なお、15nmハーフピッチのパターン形成については、非化学増幅型フォトレジストを用いた結果が、2011年春開催のリソグラフィ分野の国際学会「SPIE Advanced Lithography 2011」にて発表されているが、今回開発されたフォトレジストと比較して感度が1/2以下と低いことが実用上の課題であったという。

なお、同社では、フォトレジストを中心としたEUVリソグラフィ技術に最適な材料群の開発を積極的に進め、高品質で高性能な製品を世界市場に供給することで、半導体業界のニーズに対応していくとコメントしている。

15nmハーフピッチの写真(写真提供:SEMATECH)