Broadcomは、車載ネットワーク用の新たな物理層トランシーバ(PHY)「Broadcom BroadR-Reach BCM89810 PHY」を発表した。

同製品は、アンシールドのシングルツイストペア・ワイヤリングで100Mbpsイーサネットに接続する低コストケーブリングソリューションで、車載のための厳しい要件を満たし、多数のアプリケーションに対応するよう最適化されており、外部デバイスをサポートするさまざまな接続オプションが提供されている。

アンシールドの銅ワイヤ上で、エンコードされたイーサネット・パケットの通信をサポートするあらゆる物理層機能を搭載しており、現在の自動車が備えるシングルペア/ツイストペアケーブルの安定性と信頼性の高いオペレーションを提供することが可能だ。

さらに、RGMIIおよびMIIインタフェースの仕様に完全に準拠しており、他の車載イーサネット・デバイスとの互換性を実現している。

また、同社はこれに併せて、Freescale SemiconductorとOmniVisionと共同開発した、イーサネットベースの全方位対応可能な360度表示駐車支援システムも発表している。

同システムの構成に含まれる製品は、同PHYのほか、Freesacleの32ビットマイコン「Qorivva MPC5604E」、およびOmniVisionのAEC-Q100規格準拠カラーハイダイナミックレンジ(HDR)SoC「OV10630」CMOSイメージセンサとなっている。OV10630は、完全に処理されたYUV出力フォーマットに基づく独自のカラーHDF HDR SoCで、カメラモジュールのアーキテクチャを簡素化することが可能だ。これにより、ビデオ信号を直接MPC5604EのMJPEGエンコーディングパイプラインに取り込むことができ、RAWイメージをYUVフォーマット変換するためのICを不要にすることができるようになる。

なお同PHY、システムともにすでにサンプル出荷を開始しており、同PHYは2012年上半期からの量産開始を予定している。