STMicroelectronicsは、IC乗車券用に普及しているオープン規格「Calypso」の最新バージョン「Calypso Revision 3」に準拠したセキュア・マイコン「CD21-Rev3」を発表した。

Calypsoは、公共交通機関およびその他乗車券向けに欧州の事業者コンソーシアムにより策定され、現在、世界21カ国の80以上の交通機関にて同規格に準拠した乗車券カードが運用されており、5200万枚以上のカードが発行されている。最新規格となるCalypso Revision 3では、電子マネー、ポイント・サービス、USBキーなどの追加サービスの利用が可能となった。

同製品は同社のセキュア・マイコン「CD21-2K/CD21-8K」をベースにしたカード発行会社以外による唯一のCalypso Revision 3準拠ソリューションであり、そのためシステムのユーザや開発者は、独自性と信頼性を確保することができるほか、旧式カード・リーダとの後方互換性により、全世界の公共交通機関において、短期間かつコスト効率に優れたCalypso Revision 3の採用が可能になると同社では説明している。

また、国際規格EMVに準拠すると共に、「EAL5+ Common Criteria」セキュリティ保証を実現しているほか、スマートカード規格「ISO/IEC 14443/ISO/IEC 7816」および無線インタフェース規格「EMVCo Level 1」に準拠している。

接触/非接触アプリケーション対応のデュアル・インタフェースを採用しているが、非接触のみのインタフェースも選択可能で、130nmプロセスを採用したセキュアEEPROM(容量は4/8/18KB)を搭載しているほか、ST23セキュア・プロセッサ・コアを搭載している。

なお、同製品はすでに量産を開始しており、ウェハ(厚み:150/75μm)またはモジュール(薄型非接触モジュール:CB6(250μm)/CB4(330μm)、デュアル・インタフェース・モジュール:D70)で提供される。