FreeBSD - The Power To Serve

FreeBSDプロジェクトは8月1日(協定世界時)、FreeBSD 9.0の初のβ版となる「FreeBSD 9.0-BETA1」を公開した。amd64版、i386版、ia64版、powerpc版、powerpc64版、sparc64版が用意されている。フロッピーブートのサポートが廃止されたこととATA_CAM関連の問題もあり、これまで提供されてきたpc98版は提供対象から外されている。今のところpc98版の9.0が提供される計画はないと説明がある。

FreeBSD 9.0は新インストーラBSDInstallが採用されているほか、ZFSv28、NFSv4、Capsicum、Soft Updates Journal、LLVM Clang、ユーザランドDTrace、VIMAGE、ATA_CAMなど多数の新機能が導入されるメジャーアップグレードバージョンとなる。エンタープライズ向けの機能が強化されており、さまざまなシーンでの活用が期待できる。

FreeBSDはこれまでsysinstall(8)と呼ばれるインストーラを採用してきたが、拡張性に乏しく、インストール時にZFSやGEOMといった最新の機能を利用できないという問題があった。9.0からはbsdinstall(8)と呼ばれる新しいインストーラに置き換わる。基本的なUIはsysinstall(8)風のCUIをベースとしているが、モジュール化されたシェルスクリプトで構築されており、開発や拡張、カスタマイズが容易になっている。インストール時に各種新機能を使うことが可能。

FreeBSD 9.0-BETA1のリリースに合わせて「PC-BSD 9.0-BETA1」も公開された。Linuxディストリビューション風のGUIインストーラおよびGUI環境を使いたい場合にはPC-BSDを利用できる。KDE4、GNOME2、XFce4、LXDEまたはほかのウィンドウマネージャを指定して利用することが可能。GUI環境のみならず、通常のFreeBSDをインストールするインストーラとしても利用できる。

バイナリアップデートとなるFreeBSD-Updateはまだ提供が始まっていない。以降のβ版またはRC版で提供されることになるとみられる。リリーススケジュールどおりであれば、正式リリースは2011年9月になる。ただし、すでに当初の予定から遅れているうえ、メジャーアップグレード時には大きく遅延する傾向があることを加味すると、正式リリースが10月以降になる可能性もある。