今年5月にカナダのオタワで「FreeBSD DevSummit」および「BSDCan 2011」が開催された。FreeBSD 9や10で導入されるであろう新機能や開発の発表があったので、ここではその中から興味深いものをピックアップして紹介する。

FreeBSD 9.0新機能

FreeBSD - The Power To Serve

FreeBSD 9.0-RELEASEは9月7日のリリースへ向けて作業が進められている。メジャーアップグレード時にはリリーススケジュールが遅延する傾向が見られるため、日程通りに進むか定かではないが、次のリリースとして取り組みが検討されていることは間違いない。

9.0への取り込みが予定されている新機能は次のとおり。

  • カーネル - 仮想マシンページキューロックプッシュダウン、イベントタイマーフレームワーク、メニーコアへ向けたcpumask_tへの置き換え、Netdump、Capsicumマージ
  • ファイルシステム - SUJ (Soft Updates Journal)導入、ZFSv28、新しいNFS実装
  • ユーザランド - ベースシステムにLLVM Clang導入、新しいインストーラBSDInstall、ユーザランドDTrace、non-executableスタック、ビルドツール更新
  • ネットワークスタック - VIMAGE、TCPコネクショングループ、NOINETカーネル、ARPキュー、SIFTR/TCPプラガブルCC
  • デバイスドライバ - ATA_CAM/ahci(4)デフォルト化、GEOM RAID(4)、InfiniBand対応

新しいインストーラBSDInstall採用、ZFSv28、新しいNFS実装、UFS2ジャーナル機能SUJ導入、ユーザランドDTrace、TCPコネクショングループ、ATA_CAMデフォルト化、SIFTR/TCPプラガブルCC、などが特にFreeBSD 9の新機能として目を引く。9.0はエンタープライズ向け機能が多数導入されることになる。9.0に取り込まれるわけではないが、9.x系で取り込みが予定されている機能には次のものがある。

  • 新しいパッケージシステムPKGngの導入。週および月単位での定期的なパッケージリリース(ウィークリーパッケージセット、マンスリーパッケージセット)
  • PCI Expressホットプラグのサポート

PKGngは新しいパッケージ管理システムで、定期的なパッケージの更新と、手軽に利用できるバイナリベースでの管理やアップデートを目指している。日程はまだ不確定だが、9.xのどこかのタイミングで導入したいと説明されていた。