マルチデバイスオーサリング&開発を目指すAdobe CS5.5 Web Premium

Web Premiumの目指すところは、単なるWebサイトのコンテンツ作りではなく、FlashとHTMLを駆使したさまざまなデバイスに展開できるリッチなコンテンツ作りだ。バージョンアップするのは、「Adobe Dreamweaver」、「Adobe Flash Professional」、「Adobe Flash Catalyst」、そして「Adobe Flash Builder 4.5 Standard/Premium」である。Adobe DreamweaverはHTML5によるオーサリングが可能になり、Adobe Flash Professional、Adobe Flash Catalyst、そしてAdobe Flash Builder 4.5 Standard/PremiumはFlash 10.1/10.2技術に対応。Adobe Dreamweaverは、HTML5とCSS3を利用したWeb制作ワークフローをサポートするjQueryおよびjQuery Mobileに対応することで、スマートフォンやタブレットでの利用に適したWebサイトを効率的に制作できる。そして、Adobe Flash Professionalでは、Android/iOSアプリ開発に対応。Androidの場合は実機デバッグまで行える。デバイスの画面サイズに応じてコンテンツサイズも変更できるので、機種に応じたコンテンツが作成できるだろう。そしてAdobe Creative Suite 5で登場したAdobe Flash Catalystは、Adobe Flash Builderで作成したコンポーネントが読み込めるようになり、よりシームレスな制作フローが構築できるようになった。そして、UIも改善され、より使いやすいアプリケーションとして開発されている。

なお、Adobe Flash Builderはついにモバイル対応となり、Adobe Flash Professional同様、Andriodアプリの開発から実機デバッグをサポートした。現在のWeb/モバイルコンテンツを語る上でFlash技術は外すことができないものだ。Flash Playerのインストール実績は年々高まりを見せており、2010年に出荷されたスマートフォンの12%がFlash Playerをサポートし、2,000万台以上のスマートフォンへインストールされたという。さらにアドビでは、2011年にはFlash Playerのインストール数の期待成長率として600%という高い数値を予測。それだけに、情報発信者にはWebだけではなくあらゆるデバイスに向けたFlashコンテンツの提供が求められる。