富士通の山本社長は1月28日、都内で開催された第3四半期の決算説明会で、NECとレノボのPC事業統合について「驚いた」という率直な感想を持ったことを明らかにした。

富士通 代表取締役社長 山本正已氏

山本社長は記者からの質問に答える形でこのような感想を明らかにしたが、一方でライバル企業のこのような動きは「我々にとって"脅威"でもあり"チャンス"でもある」という考えを示している。

また山本社長は、「富士通としても、同様の施策を考えていたことはあるが、我々が推進している "インテリジェント・ソサエティ" 実現のためには、ユーザーとの接点となる携帯電話やPCは重要」とし、今後もこれらの事業を同社の"コア"の1つとして継続し、「事業全体の成長につなげたい」という方針を明らかにした。

"脅威"の具体的な内容は「価格競争のさらなる激化」だ。しかし山本社長は、「個人的な見解」と前置きしつつ「PCがコモディティ化したと言われているが、それよりも今は"新たな進化"の時期を迎えている」とし、「(iPadに象徴されるような新たなデバイスの登場が)1つの転機="チャンス"だととらえている」と語っている。

山本社長は、「携帯電話にせよPCにせよ、1社で開発から製造までを行っていることによる"スピード感"が富士通の強み」として、今後も新たなデバイスの開発などに注力すると説明した。