Xilinxは12月6日(米国時間)、DSP開発キットとして、Xilinx target Design Platform(TDP)3製品を発表した。

3製品は、A/Dコンバータ(ADC)およびD/Aコンバータ(DAC)機能搭載のFPGAを搭載した「Virtex-6 DSPキット」、低コストFPGAを搭載した「Spartan-6 DSPキット」、および「Spartan-6コプロセッシングDSPキット」で、いずれのキットも、AMBA4 AXI4インタコネクトを内蔵し、IPをサポートしている。

これらは規模の変更が容易に行えるため、新機能や規格、特徴、サポートを簡単に付加することが可能である。そのため、同社のほかユーザーやパートナー、そしてその他のサードパーティにおいて、既存のプラットフォームに機能強化を加えることが可能となるほか、最終製品の開発や投資スケジュールを短縮することも可能となる。

Virtex-6 DSP開発キット

Spartan-6 コプロセッシングDSPキット

Virtex-6 DSP開発キットは、ピーク時の信号処理性能を重視するアプリケーションをターゲットとしており、4DSPが開発したFMC(FPGA メザニンカード)上にTexas Instruments(TI)のADCとDACを搭載している。これにより、アナログ、デジタルのいずれのドメインにおいても性能のチューニングが可能になる。

またキットには、Virtex-6から ADC/DACのコンフィギュレーションとコントロールが実行できるターゲット・リファレンス・デザインが含まれており、量子化やアナログフィルタリングおよびゲイン、SN比損失率の最適化も可能とっている。さらにAXI4をサポートしているためXilinxやサードパーティ製IPコアのインテグレーションが容易に行え、性能に影響を与えることなくリソース利用の低減を行うために最適化されたポイント・ツー・ポイント・インタコネクトを導入することが可能となる。

Spartan-6 DSP開発キットは、低コストと消費電力で性能を最適化しながら、同時にDSPを既存システムに追加したいという設計者に向けたプラットフォーム。同梱されているISE Design SuiteはAXI4もサポートしており、キットに含まれているベースボードは、コスト効率に優れたDSP性能を実現する「Spartan-6 LX150T」を搭載、高速システムコネクティビティを実現可能なトランシーバも内蔵している。

多くのデザインチュートリアルとともに提供されているデジタルアップ/デジタルダウン変換のターゲットリファレンスデザインは、パッケージから出してそのまますぐに使え、RTLやMATLABおよびSimulinkでのModel-Based Design(MBD)、ハイレベルな"C"シンセシスといった開発者が使いなれた開発環境で修正、拡張を加えることが可能となっている。

Spartan-6 コプロセッシングDSPキットは、XilinxとAvnet Electronics Marketingの協業により開発されたコプロセッシング・プラットフォームで、Spartan-6を用いてシステムの加速を実現し、アプリケーションのボトルネックを軽減または解消を図ることができる。

また、1つの統合されたプラットフォーム上でFPGAやシステム・コントロール・プロセッシング、デジタル信号処理それぞれの強みを最大限引き出すことも可能となるとXilinxでは説明している。

なお、それぞれのキットの価格は、Virtex-6 DSPキットが、ML605開発ボードやXilinx ISE System Edition、AXI4 DSP IP、Virtex-6 ターゲット・リファレンス・デザイン、4DSP製FMCドータカードに内蔵のTI ADC/DACを含み、3,995ドルで提供されている。

また、Spartan-6 DSPキットは、AvnetのLX150T開発ボード、Xilinx ISE System Edition、AXI4 DSP IP、Spartan-6ターゲット・リファレンス・デザインが含まれ、1,995ドルで提供されている。そしてSpartan-6コプロセッシングキットは1,695ドルで提供されている。