Mozilla Labs - Laboratories are where science and creativity meet to develop, research, and explore new ideas.

FirefoxのUIは基本的にXULとXPCOMで構築されている。Firefoxアドオンやエクステンションで設定ダイアログなどのUIを提供しようとすれば、必然的にこうした技術を採用することになる。直接C/C++のコーディングを実施するのと比較して、XULとXPCOMは効率のいい開発を実現してくれる。

しかしChromeの登場で状況が変わった。ChromeエクステンションはXULやXPCOMを利用せず、HTML/CSS/JavaScriptのみで同様の機能を実現する。依然としてXULとXPCOMの方がより強力な機能を実装できるが、HTML/CSS/JavaScriptを使った開発でも同様のことが実現できるようになりつつある。

Firefoxはこうした動きを受けてエクステンションメカニズム変更への取り組みを開始。エクステンションに提供するJavaScript APIを模索する取り組みとしてはJetpackを開始。そしてさらにUIそのものをHTML/CSS/JavaScriptで開発できるようにしようという取り組み「Chromeless」が開始されている。

どういった方法で実現していくのか、セキュリティモデルをどうするのか、提供するAPIはどうするのかなど、研究開発すべき内容は多岐に渡る。しかし、こうした取り組みがMozilla Labsではじまっていることは注目に値する。将来のFirefoxはHTML/CSS/JavaScriptなどの標準技術のみでかなり多くの開発ができるようになる可能性がある。