日本ベリサイン IASプロダクトマーケティング 岩尾健一氏

日本ベリサインは9月7日、クラウド型のワンタイムパスワード認証サービス「ベリサイン アイデンティティ プロテクション(以下、VIP) エンタープライズ ゲートウェイ」を11月より提供開始すると発表した。

同サービスは、主として在宅勤務における自宅などの外部端末から社内ネットワークにリモートアクセスを行う環境が対象となっている。同社のデータセンターを活用することが前提となる"クラウド型"であるため、専用ハードウェアの購入や管理負荷といった環境構築・運用面でのハードルを意識せずに、手軽にセキュアなユーザー認証環境を構築できることが特徴。

VIPの概要。サービスが提供されるデータセンターは国外にあるが、eBayやPayPal、国内の金融機関などでの利用実績もあるという

VIPで提供される認証サービスは、すでに提供が開始されてい利る「VIPオーセンティケーションサービス」で、今回発表されたVIPは、これを社内ネットワークに対しても適用可能にしたもの。同認証サービスの特徴は、ユーザーIDとワンタイムパスワードによる二要素認証であり、これによって悪意のある第三者による悪用を防ぐなど、ユーザー認証の強度を高める。

また、VIPには業界標準規格とされるOATH準拠したトークンが用端末に応じて複数用意されており、PCのみならずスマートフォンや携帯電話からのリモートアクセスにも対応する。端末用のソフトウェアとして用意されているトークンは「VIP Access for Mobile」と「VIP Access Toolbar」(Internet Explorer用)で、携帯電話用のソフトウェアは近日中に公開される予定。

従来のハードウェアトークンのみならずソフトウェアにも対応。スマートフォンや携帯電話による認証も可能になる

VIPの認証サービス利用料は年間25万円(税別)/100ユーザーからとなっており、専用のハードウェアトークンを利用する場合は別途費用がかかる。

日本ベリサイン IAS製品本部 坂尻浩孝氏

同サービス発表に際して同社 IASプロダクトマーケティング 岩尾健一氏は「パンデミック対策やSaaS型アプリケーションの普及などによって、外勤者だけではなく内勤者なども対象としたリモートアクセス環境へのニーズの高まりがある」と、提供に至った背景について説明。さらに同社 IAS製品本部 坂尻浩孝氏は、「個人利用が主体だったSNSを企業が利用し始めるなど、『ビジネス』と『個人』が融合しつつある」とし、このようにIT環境が大きくしている状況では、「より強固なユーザー認証が必要になる」と訴えた。

同社は金融機関や製造、通信、建設、クラウドサービスといった分野を中心にVIPを拡販。今後3年間における販売目標を3億円としている。