Alteraは、同社のFPGA開発ソフトウェア「Quartus II」の最新バージョン「Quartus II v10.0」を発表した。

同バージョンは、同社の新製品である28nmプロセス採用FPGA「Stratix V」ファミリとして「Stratix V GX」および「Stratix V GS」がサポートされた。

また、配置配線アルゴリズム、TimeQuestタイミング・アナライザ、PowerPlayパワー・テクノロジの機能拡張が追加されており、これにより、Stratix Vを利用するカスタマは、従来よりも短いコンパイル時間、90%以上のロジック使用率、高速なタイミング・クロージャ、最小の総消費電力を実現することができるようになる。

さらに、新しいトランシーバ・ツールキットを活用することで、PCB(プリント回路基板)設計においてアプリケーションを開発する前に、あるいはアプリケーション開発と併行して、トランシーバのシグナル・インテグリティを効率的に検証することが可能となる。同ツールキットにより、カスタマはトランシーバのパラメータをすぐに微調整し、ビット・エラー・レート(BER)を確認して、シグナル・タイミング・マージンとアイ・オープニングを最大にすることが可能となる。

加えて、ラピッド・リコンパイル機能の拡張により、Quartus論理合成((Quartus Integrated Sysnthesis:QIS)機能との連携で、デザインの小規模な変更を行う際に、フルコンパイルと比べて、コンパイル時間を平均50%短縮することが可能となったほか、QXPファイルのサポートの拡張により従来からサポートされている論理合成後のネットリストに加えて、新たにフィッティング後のネットリストをサポート。これにより、カスタム・コンポーネント・ライブラリを構築でき、デザインの再利用が容易になるという。

このほか、新たに10ギガビット・イーサネットMAC、10G Base-R、およびXAUI PHY MegaCoresファンクションが追加されたほか、Quartus IIのサブスクリプション・エディションでは、同社IPの一部として、ALTMEMPHYとUniPHYをサポートするDDR2およびDDR3 SDRAMコントローラMegaCoresファンクションが含まれる。

サポートOSとしては、Windows 7およびSUSE Enterprise 10に加えて、SUSE Enterprise 11を新たに追加されたほか、Webエディションでも新たにLinuxのサポートが追加された。

なお、Quartus II開発ソフトウェアv10.0のサブスクリプション・エディション、ならびに無償のWebエディションはともに、すでに同社のWebサイトからダウンロード可能となっている。