日本SGIは、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(ISM)が、次世代物理乱数サーバシステムとしてSGIのスーパーコンピュータ(スパコン)を導入、7月1日より稼働を開始したことを発表した。

同スパコンシステムは、共有メモリ型スーパーコンピュータ「SGI Altix UV 100」を中核サーバとして構築されたもので、大規模データ解析や社会調査のサンプリング、統計モデルのシミュレーションの研究に活用される予定なほか、それらの研究に不可欠な物理乱数発生装置と併用して利用される。

「SGI Altix UV 100」

UV 100は、システム全体で192プロセッサコア、1TBメモリを搭載した大規模な共有メモリ型サーバ製品で、同UVシリーズとして国内で初めての導入事例となる。外部記憶装置には48TBの物理容量を持つ大規模なストレージシステムを導入しているほか、物理乱数発生装置として、毎秒533MBの物理乱数発生回路を搭載したPCサーバが導入されている。

なおISMでは、導入に際し、「共有メモリ型であることが機種選定における重要要件となった。超大規模データの裡に潜む真実を抽出するための理論・方法を新規に研究・開発することが統計科学の研究者の責務であり、プログラミングの負荷が少ない共有メモリ型の計算機を用いることは研究効率を高めることが可能だ。同スパコンの稼働により得られる新しい成果を、研究コミュニティおよび社会に発信していきたい」とコメントしている。

コメントを寄せた統計数理研究所 新機軸創発センター 乱数研究グループ 田村義保教授