「Omniture Summit 10」のブレイクセッションの中から、Yahoo!、Google、Microsoftの検索サイト担当者たちが登壇した「Macro-Trends, Innovations and Plans in Search Engine Marketing」に参加した。担当者たちのプレゼンテーションから、自社の検索サービスの現状と今後の方向性について語った内容をレポートする。

左からYahoo!のPartnership Director/ Eric Suhonen氏、GoogleのN.A.Agency Development Sr.Maneger/ Riki Nakasuji氏、MicrosoftのOnline Service Division Group Product Manager/ Todd Schwarts氏

今後も"テクノロジー"を追求する! - Google

Google担当者は、「今や消費者にとってネットは、自己表現の場であり、情報や体験を共有する場所である。モバイルをはじめ、多種多様になったデバイスからは"検索"や"ソーシャルメディア"へのダイレクトなアクセスがあたり前となっている」とした上で、「引き続き、今後も最大限に注力していくのは"テクノロジー"だ!」と語り、これから先の「検索」に必要な、Googleの注力点として以下の4つの要素を挙げた。

  1. 意義ある検索結果
  2. 高速化
  3. "データ力"を最大限に活用
  4. "つながる"ための機会を創造する(利用者どうし、広告主と消費者、B2Bなどさまざまなつながりを指す)

データ活用についてはOmnitureとの連携についても触れていた。

"検索"は進化し続けている by Google

Microsoftとの提携で検索ボリュームが従来の62%以上に - Yahoo!

Yahoo!担当者は、「現在のオンラインマーケティングにおいて"サーチ広告"が重要な立ち位置を示している中、Yahoo!は広告主と消費者の両者に有益な結果をもたらす検索システムを強化し続けている」と、現状での焦点について述べた。

また、Microsoftとの検索提携については「1億5,000万人の検索者数を持つ市場になり、Yahoo!単独と比較して"検索ボリューム"が62%以上増える」と調査会社の引用(注)を紹介し、「時間の節約、adCenter(Microsoft製の広告配信用エンジン)によるキャンペーン管理や販売窓口の一元化」といった、マーケティング担当者へもたらす利益を説明した。

注) comScore custom data, December 2009 and comScore qSearch December, 2009, respectively

さらに「今後も革新的な検索技術を追求していくことに変わりはないが、さらに次にくるコンテンツ、モバイル、ディスプレイ分野への投資を行っていく。マイクロソフト側はアルゴリズムと、課金分野への技術を追求していく予定だ」とした。

今後、Yahoo!が注力するテーマとしては、次の4つの要素を挙げた。

  1. イノベーション
  2. 対価/ROI
  3. 透明性/管理
  4. より優れた関連性(の提供)

Yahoo!は、検索結果と共に画像/動画を用いたディスプレイ広告が表示される「Rich Ads in Search」など、同社の検索広告の優位性をアピール

検索分野の課題解決と検索結果の満足度の向上を目指す - Microsoft

一方のマイクロソフト「Bing」担当者は、「日常業務の中で、さらに検索が重要となってきているが、検索結果の満足度は下がる傾向にある」と、調査データを元に現状を説明し、今や検索が"意思決定"の際の重要な役割となってきている中での「検索結果の明確性」「"セッション"の改善性」「検索時間の短縮化」といった課題点を挙げた。

Microsoftがミッションとして挙げていたのは以下の3つだ。

  1. 満足度の高い最高の検索結果
  2. リッチで整理されたエクスペリエンス環境
  3. 利用者のタスク達成をより簡単に

Yahoo!とMicrosoftの両社は、提携による検索市場の規模拡大と広告主への利益を説明

オンラインマーケティングにおいての「検索」は、多種多様なデバイスからの入り口であり、ソーシャルネットワークを含む膨大なインターネットの中で、何が起きているかを理解して対処するための重要な指標となるものである。利用者の生産性を上げると同時に、企業にとってはその結果を収益に結び付けるための導線の役割を果たす。その視点から各社の今後の方向性を比較してみると、それぞれの違いが浮かび上がってくるのではないだろうか。