昨年行われた「Adobe クリエイティブコンテスト」。「アートワーク部門」と「フォトアイディア部門」の2部門で審査が行われ、結果が発表されたのは記憶に新しい。応募した読者の方々も固唾を飲んで結果を待たれたことであろう。

アートワーク部門では、「あなたが考えるAdobe Creative Suite 4のパッケージデザイン」をテーマにした作品を募集。属性不問の一般の部に加え、学生を対象とした学生の部と2部門が設けられ、どちらも多数の応募のもと、厳選な審査を経て結果が発表された(審査の様子や結果はこちらを参照)。

このたび、アートワーク部門一般の部において最優秀賞を受賞した作品「紡ぐ、創造の使者。」、デジタルハリウッド賞を受賞した「才能の種」、また、学生の部で最優秀賞を受賞した「A FLASH」の3作品を、実際の立体パッケージとして制作したので、その模様をお伝えしたい。

パッケージを製作するにあたりご協力頂いたのは、インクジェット出力メディアを中心とした商品やサービスを提供する「ピクトリコ」。同社が販売する紙器やパッケージの色校正、モック制作用紙「ピクトリコプルーフ コートボールS(薄)」を使用して、受賞作品の立体化を試みた。

制作は、データを元に印刷、印刷後にカッティング、その後に組み立てというプロセスを経てパッケージへ。なお、印刷はピクトリコ社にて行われた。

データを元に大判インクジェットプリンタで印刷。受賞作3点を1枚に刷るも、所要時間はかなり短く、実際の印刷の仕上がりを見ると、作品のデザインクオリティが証明されるよう。用紙として使用した「ピクトリコプルーフ コートボールS(薄)」が見事な光沢感と色再現性を引き出し、パッケージへの期待感が高まる

カッティング作業は、不慣れなため意外にも難航。データに付加された「折り線」等にそって作品を傷つけないよう、丁寧に作業を進めるマイコミジャーナルスタッフ。カッティングにはかなりの力が必要で「ピクトリコプルーフ コートボールS(薄)」の強度を実感

印刷、カッティングのプロセスを経て組み立てを行い完成した3作品のパッケージ。いずれの作品も画面上とはまた異なる印象をもたらした。やはりパッケージは実際に立体にしてみると存在感が際立ち、描かれている内容、具体的には書体、色、構成力といったデザインの要素がより強く放たれることが理解できる。

完成したパッケージ

左から、一般の部最優秀賞受賞作「紡ぐ、創造の使者。」、一般の部デジタルハリウッド賞受賞作「才能の種」、学生の部最優秀賞受賞作「A FLASH」

パッケージデザインに必要なのは、いかに情報を整理し、限られた空間で製品特性をアピールするかということ。それがイラストで表現されようと、写真や書体であれ、目的は明確なはず。その意味で、今回の受賞作はいずれも審査員を唸らせる完成度を誇ったが、それらのデザインを引き立てる「ピクトリコプルーフ コートボールS(薄)」におけるプルーフ用紙としてのクオリティもまた、唸らずにはいられないものであったようだ。


ピクトリコ「PAGE2010」出展情報

ピクトリコは、2月3日より5日まで、東京・池袋サンシャインシティコンベンションセンターTOKYOにて行われる印刷・メディア業界の展示会「PAGE2010」において、今回パッケージ用紙として使用した「ピクトリコプルーフ」シリーズの商品を出展。
今回パッケージ用紙として使用した「ピクトリコプルーフ コートボールS(薄)」をはじめ、「ピクトリコプルーフ ダンボールS(薄)」や、薄手プルーフ用紙「ピクトリコプルーフ 薄手グロス DC90P」、「ピクトリコプルーフ 薄手マット DC90V」が展示される。