ノルウェーのOperaは1月20日(現地時間)、モバイル広告企業の米AdMarvelを買収したと発表した。英Reutersなどの報道によれば、OperaがAdMarvel買収に支払った金額は800億ドル。同社のモバイルポートフォリオや広告プラットフォームを強化する狙いがある。今回の発表は、2009年11月の米Googleによる米AdMob買収、2010年1月の米Appleによる米Quattro Wireless買収に続くものとなり、急成長中のモバイルプラットフォームを狙ったIT各社のシェア争奪戦が激化しそうだ。

AdMarvelは米カリフォルニア州サンマテオを拠点した、2006年設立の未公開企業。モバイル分野をターゲットにした広告プラットフォームを持っており、広告主や配信者などがこれら広告の追跡/管理を行うためのツールやサービスを提供している。広告配信先もモバイルWebだけでなく、WAPやSMS、アプリケーション内配信など、さまざまな手法をサポートする。

Operaは現在、同社ブランドのWebブラウザ製品やサービスを携帯キャリアや端末ベンダらに提供することでモバイルビジネスを維持しているが、今後はより携帯キャリアやコンテンツパートナーらとの提携を強化し、AdMarvelの広告プラットフォームを用いてビジネスチャンスを拡大していくのが狙いとみられる。スマートフォンブームでモバイルWebを日常的に利用するユーザーが増えるなか、モバイル広告市場は大きな成長市場として注目を集める。一方で端末メーカーらはOS謹製のブラウザや自社製ブラウザの利用を進めており、相対的にOperaが介入する余地が薄まりつつある。同分野でのシェアで最大手となるOperaでは、こうした状況に先手を打つ必要がある。