オフィス改装がリクルーティングでも効果を発揮

シュワルツコフでは、フリーアドレス制を導入するに当たり、オフィスの改装にも踏み切った。その際に意識したのが、「とにかく雰囲気を明るくすること」である。

まず、椅子のカラーに明るい色を選択。領域ごとに異なる色を採用し、暗い印象を払拭した。

また、各会議室の名称を同社のブランド名にし、ドアの色をそれぞれのテーマカラーに塗り替えた。加えて、会議室の壁面にはホワイトボードと同じ素材を採用。ディスカッションの内容を壁面に自由に書き込めるようにした。これにより、ホワイトボードが不要になり、会議室内がすっきりしたという。

シュワルツコフの会議室

さらに、入り口には、大画面のモニタと自社商品を展示するスペースを設置。自社のプロモーション映像を常時流し、華やかな雰囲気を演出している。

このように魅力的なオフィス作りに相応のコストをかけたわけだが、そこには「社員の働く環境を向上させるだけでなく、もう1つねらいがあった」と足立氏は説明する。それは、訪れた人にここで働きたいと思わせること。その効果はてきめんに現れており、新しい装いになったオフィスは、「以前に比べ、リクルーティング活動に大きく貢献してくれている」(足立氏)という。

シュワルツコフのエントランス

インフォーマルな接点を作ることで人間関係が強くなる

以上がヘンケルジャパンが取り組んできた内容だが、同社では現在でも、社員がさらに働きやすい環境を作るべくさまざまな取り組みを行っている。

その最たる例が、"課外活動"の強化だ。足立氏は、「仕事以外の接点を持つと人間関係が強くなる。一昔前であれば飲みに行ってそういう接点を作っていたが、現在はその機会もあまりない」と述べたうえで、会社側で"インフォーマルな接点"を作る働きかけが必要であると説明。そのための取り組みとして、現在は課外活動の整備に力を入れているという。

すでに、バトミントン、テニス、ゴルフ、ランニングなどのクラブ活動が行われているほか、現在はWiiを購入し、会議室などで自由に利用できるようにしようとしている。

社員の働きやすい職場という観点から、さまざまな取り組みを続けているヘンケルジャパン。今後も改善を積み重ね、多方面から社員を支えていく。