凸版印刷は9月16日、柔軟性を持ち防水性と高温への耐久性に優れる「軟質ICタグ」として、「UHF帯ストラップ形状 軟質ICタグ」および、「13.56MHz帯コイン形状 軟質ICタグ」の2製品を発表した。9月上旬に既に発売しており、1万個受注時の販売価格は1個あたり200円からとなっている。

新製品は、外装(封止)素材として、ワイパーなどに使用される特殊ゴムであるEPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)を採用。独自のアンテナ設計技術により、同じ周波数帯の従来型ICタグ製品と同等の通信距離を備えつつ、柔軟性と耐久性を実現したという。

柔軟で折り曲げ可能なUHF帯ストラップ形状 軟質ICタグ

ストラップ型には、表面にレーザー刻印も可能

UHF帯ストラップ形状 軟質ICタグは、物流分野での利用を想定。 物流分野では柔軟な物流包材にUHF帯ICタグを取り付けて使用する際に、従来型のICタグでは剥がれたり破損したりという問題があったという。新製品ではこの問題を解決するため、屋外での使用に耐える耐久性と柔軟性を持たせたとしている。

国際標準仕様であるEPCglobal Class-1 Generation-2に準拠し、外装に合わせて国内の通信周波数である953MHz±1MHzで最適な特性を得られるアンテナ設計とし、外装にはレーザーマーキングが可能という特長を持つ。

形態としては、耐環境性を向上させるため樹脂封止した形状で提供し、サイズは20.0×90.0×1.2mm。同社測定による屈曲耐性は、180度の屈曲2000回という。

衣服に装着しても違和感の無い13.56MHz帯コイン形状 軟質ICタグ

13.56MHz帯コイン形状 軟質ICタグは、リネンやユニフォーム管理での利用を想定。 同分野では業務用クリーニングに耐えうる耐熱/耐圧/耐薬品性が求められるため、従来は堅い樹脂で外装を保護していたが、柔軟性が無く着用時の違和感が課題だったという。

新製品では、業務用クリーニングに対応可能な耐久性を備えるとともに、軟質な素地を採用した。

国際規格であるISO15693に準拠し、外装に合わせて最適な通信特性を得られるアンテナ設計とし、極薄・小型形状を実現した。

形態としては、耐環境性を向上させるために樹脂封止した形状で提供し、サイズは直径26mm・厚さ1.0mmのコイン型。同社測定による屈曲耐性は、180度の屈曲2000回という。