Wind Riverは、同社の包括的なデバイス開発向けマルチコア・ソフトウェア・ソリューションとして「Wind River Hypervisor」の提供を開始したことを明らかにした。また、これに伴い、同社の開発環境、「Wind River Workbench」も、Wind River Hypervisor上でのソフトウェア開発に対応できるよう機能拡張されたことが明らかにされた。

Wind River Hypervisorは、タイプ1のハイパフォーマンスなハイパーバイザで、シングルコアおよびマルチコアの双方のプロセッサ上での仮想化をサポートする。また、同社のOSである「VxWorks」および「Wind River Linux」と統合可能で、その他のさまざまなOSにも対応している。

主な機能ならびに特長としては以下の4つとなっている。

  • シングルコアおよびマルチコアの双方のプロセッサへのサポート
  • パフォーマンス、レイテンシ、デターミニズム、最小のフットプリントなどのリアルタイムな要素へのフォーカス
  • OSの始動、停止、リロードを含む信頼性を向上するためのOSとコアとの間の保護機能
  • 高度に最適化されたチップ固有のハードウェアへのサポート

同社のRTOS「VxWorks 6.7」は、AMPまたはSMPのマルチコア設計構造を選択できるが、Wind River Hypervisorでは、Hypervisorにて各ゲストOSを保護する機能「supervised AMP」設定が使用できるため、システム設計者にとってAMPシステムの設定作業が簡易化されるという。

加えて同社は、VxWorks製品のラインアップとして「VxWorks MILS Platform 2.0」の提供も発表している。これは、航空宇宙ならびに防衛業界向けのOSであり、マルチレベル・セキュア(MLS)システムの構築に必要な堅牢性を持つOS基盤を有する。こちらも、Wind River Hypervisorテクノロジを活用した仮想化が可能で、ハイパーバイザを用いた仮想化と、VxWorks MILSセパレーションカーネル全体のセキュリティ特性を組み合わせることで、高い水準のセキュリティレベルを確保するMILSアーキテクチャを実現することができるようになるとしている。