田中貴金属工業は6月22日、同社鶴岡工場のプリント配線版の生産能力を20%増強するとともに、CAD端末の入れ替えや増設などにより、新規図番の処理能力を従来比1.5倍に引き上げることにより、需要増への対応ならびに納期短縮を図ることを決定したと発表した。

同決定に伴い、同敷地内の建屋を1,500m2拡大するとともに、設備レイアウトの見直しを行い、増産体制を整えることとなる。またこれにより、プリント配線版の製造のほか、新製品開発のための試作品設計、少量/中量のリピート品の部品実装、配線版から部品実装への一貫製造体制なども強化する計画としている。

同社の事業強化の背景としては、2007年よりプリント配線板の設計事務所を東京に開設、2008年後半からは製造技術エンジニアも東京に配置し、関東の顧客とのパートナーシップの強化を図ってきたことが挙げられ、これにより関東地区の顧客からの新規受注件数が30%増となり、2009年度は新製品を中心にさらに20%の受注拡大を目標とするに至っている。

こうしたことから、同社では鶴岡工場のプリント配線板の生産能力と新規図番の処理能力を引き上げ、製造面でのバックアップ体制の強化を実行することが決定。そのため、鶴岡工場では2009年度売上目標を、当初目標の約30%増となる80億円に上方修正している。