米オンライン求人サイトのCareerBuilder.comが父の日を前に毎年行っている働く父親の実態調査「Working Dads 2009」が今年も発表された。昨年秋から続く景気後退を背景に、仕事と家庭生活に対する父親の心境に変化が見られることなどが明らかになった。

調査は、2009年2月20日から3月11日にかけて、全米の18歳以上のフルタイム勤務の従業員で、18歳以下の子どもと同居する男性を対象に実施。797人の有効回答を集計した。

その結果、31%が「配偶者やその他の収入で家族を不自由なく養っていけるなら、仕事を辞めてもよい」と回答。この割合は、2005年には49%が回答していたものの、前年の37%から今年はさらに低下した。

また、「家族とより多くの時間を過ごすために給与カットも辞さない」と答えたのは30%。この割合は、前年の37%よりも減少したものの、40%が給与カットの程度を「1割以上」と答えている。

また、働く父親が平日に子どもと過ごす時間について訊ねた質問では、39%が「2時間以下」で、「1時間以下」と答えた人も14%にのぼった。さらに、31%が「週に少なくとも1回は家に仕事を持ち帰る」と回答しており、前年の25%から増加した。その他、半数が「過去1年間に仕事のせいで子どもにとっては大事なイベントを見逃した経験がある」と回答し、そのうちの28%はその回数を「3回以上」と述べている。

今回の調査結果について、CareerBuilderのシニア・キャリア・アドバイザーで二児の父でもあるJason Ferrara氏は「働く父親の多くがハードワークと長時間労働を強いられているが、上司や人事担当者に相談することが重要。経営者は、従業員の私生活と仕事の両立支援をすることが業務上の効果にもつながるものとして、ワークライフバランスに力を入れている。しかしながら、半数近くの働く父親は与えられた柔軟な働き方の制度を活用できていない」とコメント。また、働く父親が仕事と私生活の健康的なバランスを実現するためのTipsとして次の5つを紹介した。

1. 意思の疎通

妻や子どもたちとのオープンな会話を心がける。職場での出来事を家族と話すことは、なぜ家に帰れないか、家に居るときも仕事をしなければならない理由を家族が理解するのに役立つ。

2. 家族用カレンダーを中心に仕事をする

家族用のカレンダーに家族全員のスケジュールを書き込む。また、重要なイベントのための休暇を保持し、人事担当者や上司に調整を相談する。

3. 持ち帰りの仕事は待っていてくれる

子どもが寝るまではBlackberry(PDA)に触らず、メールをチェックしない。

4. 計画は前もって

1日や週単位での仕事の計画を立てるように、子どもと過ごす時間の計画を付け加える。

5. 職場でファミリーイベントを企画する

学校の夏休み期で職場があまり忙しくない時期を利用して、同僚の家族とのランチ会やその他のイベントを計画する。