IDC Japanは6月4日、国内セキュリティ市場の予測を発表した。同発表によると、2008年の国内の情報セキュリティ市場は成長率が低下しながらも拡大し、サービス市場は高い成長率を維持したという。2009年は景気後退の影響から、プロジェクトベースの製品導入では苦戦するが、コンプライアンス対策に関する製品市場は堅調に推移すると予測されている。

セキュリティソフトウェア市場は、アンチウイルス製品などで年間ライセンスビジネスが確立しており、安定的な収益構造を持つ。一方、新規導入を伴うメールセキュリティソリューションなどではアプライアンス製品やサービスが選ばれる傾向にあり、2009年以降の市場成長は緩やかになると予測されている。

セキュリティアプライアンス市場は、引き続き導入・運用管理の容易さ、機能統合と低価格化などにより、統合型管理アプライアンスやメールセキュリティアプライアンスを中心に導入が進むと考えられる。ただし、低価格化により、売上額の伸びは抑えられると予測されている。

セキュリティサービス市場は大企業だけでなく中堅、中小企業向けのメニューなどが充実しており、人員不足を補うサービスのアウトソーシング需要を成長要因として、高い成長率を維持すると予測されている。

今年は金融商品取引法(日本版SOX法)に基づく監査報告が初めて行われるが、内部統制の改善項目として権限分掌と監査証跡の保存を課題とする企業が多いため、アイデンティティ管理、ログ管理製品には市場拡大のチャンスが続くと、同社では分析している。

国内セキュリティソフトウェア/アプライアンス/サービス市場 売上額予測、2008年~2013年 資料 IDC Japan