米Cisco Systemsは3月15日(現地時間)、データセンター向けの新アーキテクチャ「Unified Computing System」を発表した。データセンター内のコンピュータ、ネットワーク、ストレージを単一のシステムとしてまとめ、仮想化(バーチャライゼーション)されたリソースとして扱うことで、効率的で低コスト、シンプルな運用が可能になるという。また今回の発表においては、Cisco初となるサーバ製品の提供も含まれている。

Unified Computing Systemは業界標準のコンポーネント群で構成され、管理機能を標準で統合するほか、「一度接続すればそのまま継続利用可能」という仮想化に最適化されたUnified Fabricを組み合わせたものになる。同社によれば、TCO削減効果は初期段階で最大20%、運用面で最大30%の従来システムと比較しての効果が見込めるという。またスケールアウトも容易で、1 - 320台のサーバ、何千もの仮想マシン(VM)を同時に管理できる。

同プラットフォーム向けには、Cisco初となるブレードサーバ「Cisco UCS B-Series Blades」が用意される。これにはIntelのサーバ向け次世代Nehalem (Xeon次期バージョン)が採用されているほか、同社独自のメモリ拡張技術を用いてより大きなデータセットや多数のVM動作を可能にしている。ネットワークは10GbEをベースにした高速接続が提供され、LAN、SAN、サーバ向けインターコネクトと3種類に分離しているネットワークを1つのネットワークとして統合する。ストレージ自体もSANに加え、標準的なNASもサポートし、透過的な統合アクセス環境が用意される。伝送経路はイーサネットのほか、ファイバチャネル(FC)、FC over Ethernet、iSCSIなどさまざまな媒体をサポートする。こうして互いに接続されたコンポーネントは仮想化環境の中でリソースの1つとして管理され、セキュリティやポリシーに基づいた形で自在にアクセスできる。管理ツールとしてはCisco UCS Managerが提供され、GUIまたはCLIのいずれのインタフェースからでも参照可能。

Unified Computing Systemの提供にあたっては、システムの設計から導入、運用、最適化までをサービスとして体系化したUnified Computing Servicesが用意されている。また業界パートナーとして、BMC Software、EMC、Emulex、Intel、Microsoft、NetApp、Novell、Oracle、QLogic、Red Hat、VMwareらが名乗りを挙げている。特にBMC、EMC、Microsoft、VMwareは技術サポートの面で主力メンバーとなっている。コンサルティング関連ではAcenture、CSC、Tata Consultancy Services (TCS)、Wiproとの提携を行っている。

Unified Computing Systemならびに関連サービスの提供開始は2009年第2四半期を予定している。

Cisco初のサーバ製品となる「8 UCS B-Series Blades」