7割の電気を自家発電でまかなえる

省エネルギーセンター発表のデータによると、一般的な家庭での一次エネルギー消費量は、45.3GJ(ギガジュール・2006年)。このうち44.9%にあたる約20.3GJが電力として消費されており、3.60MJ/kWh(総合エネルギー統計による値)で電力量換算すると5650kWhとなる。1kWの太陽光発電システムの年間発電量を1000kWhとして試算すると、 4kWの太陽光発電システム設置で約7割をまかなえる計算だ。

この4000kWhを電気料金に換算すると9万2,000円(電気料金は2008年5月時点の東京電力 従量電灯契約2段目料金約23円/kWhで計算)。太陽電池の寿命は20年以上といわれており、その間メンテナンスはほとんど不要といわれている。とはいえ、単純にこの9万2,000円で4kWhの平均設置費用300万円を割ると、償却に32年かかることになる。経済的なメリットがあるとは言えない状況だ。コストメリットに関しては、機器のさらなる値下がりか発電効率の向上を待たなくてはならない。

コスト以外のメリットとは

しかし、わが家が発電所となり、クリーンなエネルギーを活用することは環境共生の観点からは非常に有意義なものだ。4kWのシステム(年間発電量4,000kWh)での温室効果ガス排出削減量は年間2,220kg(※2)。1日1人1kgの目標を6人分達成できる。 ※2 地球温暖化対策の推進に関する法律の規定による温室効果ガス排出係数に基づき算出

発電モニター 写真提供/シャープ

また、一般的な太陽光発電システムでは、発電量と消費電力量、電力会社に売る電力量が室内に設置されるモニターでチェックできる。これにより、使用を発電量の範囲内に収めようと節電意識が高まるという副次的な効果が期待できるようだ。

次回は太陽光発電システムの上手な導入方法を解説していく。