セカンドライフでおしゃれを楽しむ女子によるファッション放談会の最終回は、前回の井戸端会議の中にも出てきた、「Deja vu international」のモデルのひとり、seraim Shortさんにご登場いただきました。モデルという立場から、SL的おしゃれをどのように見ているのでしょうか。

バーチャルワールドでもファッションへの投資は糸目なし?

写真撮影もseraimさん自身によるもの。屋外での撮影が好きというseraimさんらしく、ウィンドライトビュアーの光を生かしたセルフポートレート

筆者 こんばんは。お忙しいところをありがとうございます。今日は、ローカルチャットがとっても遅いのですが、お話うかがってもいいですか?
seraimはい。今ちょっとセカンドライフ自体不安定みたいですね。最近、週末は恒例ですが。
筆者 いやな恒例ですね。私が初めて髪を買ったのも、週末がすごく混んでいた時期で、別の品をクリックしたようで、妙な髪が届きました。
seraim 私も欲しいスキンと違うものをクリックしたことありますよ(笑)。間違えたのは1,400リンデンドル(約560円)で泣きました。
筆者 うわ。そりゃ泣きますわ。では、そろそろ本題に入って、おしゃれに目覚めたきっかけあたりからうかがっていいですか?
seraim 私は最初はスキンですかねー。今かなり有名になられたルナシェイプのルナさんに初心者のころ知り合って、いろいろとスキン屋さんを紹介していただいたのがきっかけですね。可愛いスキンを手に入れたら可愛い服が着たくなるみたいなw
筆者 ちなみに、今日はどちらのを?
seraim 今日は「REDGRAVE」ですね。
筆者 最近、すごい流行ってますよね。
seraim そうですねー。価格設定がお手頃なのも拍車をかけたのかと思います。
筆者 手頃といっても、1,000リンデンドルはしますよね。
seraim 海外の方々にしたらお手頃な価格といえるかと思います。 海外のファッションに精通してる方々は本当に糸目をつけませんから^^;
筆者 座談会に来ていただいた方が、スキンと髪にはお金をかけるけど、服はフリーでもいいのがあるから、そういうのを利用する、ということを言ってました。
seraim そうですね。
筆者 でも、その方、Braizの服を何着も持っているんですよ。スキンよりも高いようなお洋服を。
seraim (笑)。フリーだけで他の子と差をつけるのは難しいですからね。リアルの世界でも言えるようにセカンドライフの世界でも財布の紐を握っているのは女性ということでしょうかね。

リアルでもおしゃれが大好き

筆者 あ。プリムのまつげをつけてますよね。
seraim はい。
筆者 なんか、見ててほれぼれします。
seraim ありがとうございます(笑)
筆者 リアルでのファッションも、おしゃれな方なんでしょか?
seraim リアルでも服や靴アクセサリーは大好きですねー。そしてSLと同様に雑食ですw セカンドライフでのお洒落は大体リアルからの影響を大きく受けると思いますねー。
筆者 おしゃれのセンスのない人が、セカンドライフでおしゃれのセンスを磨くことはできるでしょうか? お金がかかると言っても、セカンドライフならせいぜい数百円で住みますし。
seraim んー。お洒落ってそもそも、って話になってしまうんですが。
筆者 はい。
seraim 最先端の流行を追うのがお洒落であるならば、ファッションブログやお洒落な人をお手本にしていればお洒落といえるかと。私は個性があるほうが素敵だと思いますけどね。
筆者 はい。
seraim 「Deja vu international」でお仕事をさせていただく前は、流行り物もチェックしつつ、周りが誰も使ってない"いいもの"を探すのが大好きで、毎日あちこち飛び回っていました。
筆者 じゃあ、情報は自分の足で見つけてたんですね。
seraim 国内はほぼそうですねー。海外の情報は友人に教えてもらったりもしていました^^。
筆者 今はdeja vuというと、情報のほうから飛び込んでくる感じですか?
seraim いえー。今でも自分で探していますよー。ただ、それ以外にも読んでいる方が欲しい情報提供も大事ですからね。
筆者 座談会の方たちも、「Deja vu international」の愛読者がいました。
seraim 嬉しいですね^^

リアル系ファッションで活躍する日本人クリエーター

筆者 セカンドライフのファッショをジャンル分けすると、どうなるんでしょうか?
seraim そうですねぇ。。。ネコ系、秋葉原系、ゴス、あとはスチームパンク系。
筆者 そういうジャンルがあるんですね。seraimさんの今日のような感じは、なんていうんでしょうか?
seraim むー。ジャンルで言うとどうなんでしょうねぇ。最近の人気店はリアルクローズ志向が多いので私の中ではそういう囲いでいます。リアルの人気ファッションをセカンドライフに取り入れたジャンルでしょうか。
筆者 リアル志向ですよね。
seraim そうですねー。特に日本の人気クリエイターさんに多い傾向ですねー。
筆者 日本の人気クリエイターさんというと、おすすめのショップでは?
seraim たくさんありますよぉ。今はもう日本のクリエイターさんは海外からも評価が高いですからね。
筆者 先日、「Ce Cubic effect」に行って、びっくりしました。
seraim あそこはもう世界的と言っていいでしょうね。私があの店を知ったときはまだ小さなお店でしたけど当初からクオリティの高さは半端ではなかったです。

有名な靴屋さんのカフェで、お話をうかがいました

筆者 日本のクリエイターさんって、言葉の壁のせいか、世界進出が難しいのだろうか、と思ってたんですが……。
seraim いえいえー。今は日本のクリエイターさんのお店がよく海外のファッション系ブログや有名ファッショニスタのブログでよく紹介されていますよ。
筆者 そうなんですかぁ。ふんふん。
seraim 「AOHARU」さんなんかは日本人女性のデザイナーさんがおひとりでやってらっしゃいますが、飛ぶ鳥を落とす勢いです。
筆者 いくつか、最近、ハマッてるお店を教えていただけないでしょうか?
seraim そうですねー。昔から好きなお店は「amerie's NAUGHTY」。ここは元々はいわゆるネコ系のお店ですが最近のリリースは少しネコ系から離れていますね。NAUGHTYのデザイナーさんがコラボで出している「Spice&Sugar」も好きです。
筆者 はい。
seraim 帽子の「WILD O」。とても個性的で素敵な帽子を作られていて価格もお手頃。これから楽しみなお店ですねー。あとはアメリカ人デザイナーさんのお店のElate!。ここも価格がお手頃でクオリティの高い服が魅力です。

"日本的かわいい"について

筆者 日本のクリエーターさんというと、アニメ顔の女性アバターというか、かわいい系というか、ああいう系統のほうが多いのかと思ってました。
seraim アニメ顔ですかー(笑) 私が一番最初に買ったスキンは若干アニメ系でしたかね。私をdeja vuに推薦してくれたchikaeさんという同じdeja vuモデルの先輩に彼女自身のブログの取材を受けたことがありまして、そのときにカメラマンのkikunosukeさんに撮ってもらった写真を見て、ウィンドライトビューア(※)が主力になってくると今のスキンじゃ厳しいと感じてRLスキンに転向したんですよw

ビュアーが、ウィンドライトの設定(上)と、従来の設定(下)のもの。風景はウィンドライトのほうが格段にリアルだが、一般に、女の子の顔は暗めに写るため、おしゃれな女の子たちの頭を痛めている

※現在のクライアント。以前のものに比べて反射などが格段とリアルになっている。

seraim その経緯でシェイプ作りにも目覚めて。目が大きいとバランスが悪くなるので目は小さめになっていきましたねー。
筆者 (笑)
seraim ただ多くのモデルさん達は切れ長で少しつり目な方が多いので、私も若干たれ目気味にはしてあるんですよ(笑) スキンによってはあまり目立ちませんが。
筆者 個性を出すために?
seraim それもありますが、私が目標とするシェイプが「綺麗だけど可愛くもある」顔なので。角度によって可愛く見えたり、大人顔だったり、そういう顔が好みなので。
筆者 アクセサリーや髪なんかは自作するんでしょうか?
seraim 私は今はなにも作ってないですね。1日48時間あったら靴を作る夢を実現したいものですが(笑)

初期アバターがかわいければ、SL利用者は増える?

筆者 あともうひとつ。初期アバターのままで何カ月もいる人を見たら、どう思いますか?
seraim ふむぅ。
筆者 初期アバターが可愛かったら、セカンドライフに来る人ももう少しは増える、といった意見を持ってる人もいるようですが。この5月末に、リンデンラボの元CEOが日本に来たときに、可愛いアバターを追加してくれ、というような声があり、そんな声の影響かどうかはわからないのですが、6月に追加されたのが、今日の私のアバターです。正確にいえば、初期アバターではなくて持ち物フォルダーにデフォルトとして入っているアバターですが……。
seraim そうなんですかー。知らなかったー。なかなか難しい組み合わせを着てらっしゃいますけど(笑)

筆者 個性的です。
seraim でも、初期アバターが可愛かったら、というのはどうでしょうね。セカンドライフをやめていく人たちは何をしていいかわからないといった人が多いです。PCスペックの問題でということもありますが。
筆者 はい。
seraim もう少し、初心者の方が、わかりやすく楽しめる空間があるといいかもしれませんねぇ。最初の1日で脱落する人、1週間目で脱落する人、1カ月目で脱落する人と早いスパンでやめてく方が多いですから。でも、一方では、初期アバターのままで製作を楽しんでる人もいます。初期アバターで過ごしていること自体には特になにも思いません。セカンドライフを楽しめるなら初期アバターでもタイニーアバターでも何千リンデンドルするスキンでも人それぞれでいいと思いますよ(笑)。
筆者 そうかもしれませんね。いろんな楽しみ方がある世界ですから。今日は長いお時間をさいていただいてありがとうございます。

「セカンドライフ三面記事」バックナンバー

・第1回 バーチャル"サクラ"を巡る攻防
・第2回 バーチャル不動産ビジネスの正体
・第3回 ヘルプ! 英会話教室の外国人講師にぼったくられる
・第4回 汗と涙で稼いだリンデンドルを"円"に換えたら(泣)
・第5回 或る女の不条理で(ちょい)欲深い日常
・第6回 設定が招いたディスコミュニケーション!?
・第7回 グリーファーの襲撃に筆者は武装も考えた……
・第8回 誤解も愛のうち……妙な日本文化に触れる
・第9回 起業も職業選択も自由なバーチャルワークの魅力
・第10回 ロールプレイングを楽しんでる人たちがいる
・第11回 バーチャルだけど、土地、買いました(1)
・第12回 バーチャルだけど、土地、買いました(2)
・第13回 お祭り見聞録~イケメン元CEOもやって来た!
・第14回 気の合うふたりは、会うし、結婚もする、よね?
・第15回 SL女子によるファッション放談会(その1)
・第16回 SL女子によるファッション放談会(その2)