シマンテックは、仮想化ソリューションの検証・体験施設「仮想化ソリューションラボ」を開設したと発表した。

仮想化ソリューションラボ

「仮想化ソリューションラボ」では、シマンテック製品の仮想関連機能の検証および、その結果を踏まえての最適なシステム構成やソリューションの顧客およびパートナー企業向けのデモンストレーションが行われる。仮想化ソリューションを容易に導入したいと考える顧客やパートナー企業の取り組みを支援することを目的とした設備だ。

現在「仮想化ソリューションラボ」はパートナー企業から提供されたサーバ等を1ラックに収めた形で設置されている。設置場所は、シマンテック本社内にある「ジャパン・エンジニアリング・センター」だ。「ジャパン・エンジニアリング・センター」は、米国シマンテックコーポーレーションのソフトウェアを日本国内に提供するにあたって検証を実施する施設だ。

シマンテック テクノロジー統括本部 執行役員 統括本部長 足立修氏

シマンテック テクノロジー統括本部 執行役員 統括本部長である足立修氏は「なぜシマンテックなのかというと、我々は仮想と物理の両環境においてマルチプラットフォームをカバーできる管理ソフトウェアや、ハードウェア・アーキテクチャに依存しないソリューションの提供ができる。仮想か物理か、ということは特に意識していない。シマンテックの提供するソフトウェアは、VMwareやCitrix、Microsoftなどが提供する仮想化技術に対しても、変更を加えずに利用することができる」と仮想環境におけるシマンテック製品の有用性を語った。

「仮想化ソリューションラボ」で提供される検証等は、年内にフェーズ3までが予定されている。現時点ではフェーズ1として、VMwareソリューションの実証検証が紹介される。これに続いて、9月以降、フェーズ2としてVxVl/Xen Serverを対象としたものが、11月からはフェーズ3としてHyper-Vを対象としたものが提供される予定だ。

仮想化ソリューションラボのロードマップ

フェーズ1で提供されるVMwareソリューションは、大きく4つの項目となっている。データ保護、アプリケーションの可用性、展開と管理、サーバの可用性および移行支援だ。

フェーズ1でのデモンストレーション内容

データ保護については、Veritas NetBackupとVCBの連携による仮想マシンのバックアップが実施される。デモシナリオの例としては、スナップショットを利用したオフホストバックアップや、ファイル単位のリストア、仮想マシン全体のリストア等が挙げられている。

アプリケーションの可用性については、Veritas Cluster Server for VMware ESXを使用して、仮想マシンとその上で動作するアプリケーションの監視を実現、サービスのフェールオーバーによるシステム全体の高可用性の提供が行われる。デモシナリオの例としては、VCSコマンドによる仮想マシンのスイッチオーバー等が挙げられる。

展開と管理については、Altiris Deployment SolutionによるVMware ESXサーバや仮想マシンのOS展開、管理の集中化の実現が提供される。デモシナリオの例としては、Altiris SDコンソールから仮想マシン上にRed Hat Enterprise Linuxをインストールすることや、仮想マシンのリモート管理が挙げられている。

サーバの可用性と移行支援としては、Symantec Backup Exec System Recoveyによる物理マシン上で作成したディスクイメージの仮想マシン上での利用を実現する。これにより、物理環境と仮想環境をまたいだシームレスなサーバ移行が支援される。デモシナリオの例としては、ノートパソコン上のOSイメージをVMware仮想マシン上で実行するなどが挙げられている。

これらに加えて、8月中旬からはフェーズ1.5としてSymantec Endpoint Protectionを利用した検証も行われる予定だ。

ジャパン・エンジニアリング・センター センター長 執行役員 藤田幸雄氏

「仮想化ソリューションラボ」から提供されるのはシマンテック製品を利用したソリューションだが、ジャパン・エンジニアリング・センター 執行役員であり、センター長である藤田幸雄氏は、他社製品の動作検証なども行う用意があると言う。「お客様が仮想化に取り組むにあたっての問題を解決するための場所。シマンテックでは自社製品しか用意できないが、持ち込みによって他社アプリケーションの動作検証や障害対策なども行いたいと考えている」

検証結果についてはホワイトペーパーとして提供される。また、秋からは月1回程度のペースで体験型のセミナーが開催される予定だ。