伊仏合弁の半導体ベンダであるSTMicroelectronicsと蘭NXP Semiconductorsは10日(現地時間)、両社の主要ワイヤレス関連事業を合併し、あらゆる主要携帯電話メーカーと関係を有する合弁会社を設立することに合意したことを発表した。

新会社は数千件の通信ならびにマルチメディア関連の特許を所有することで、2G、2.5G、3G、マルチメディア、コネクティビティ技術、ならびに将来のワイヤレス技術に関する顧客のニーズに対応できる企業規模を有することとなる。

両親会社からは、設計、営業、マーケティング、後工程製造に関する資産が移譲され、ウェハ製造に関しては両親会社および外部のウェハ製造業者に委託する。後工程に関しては、自社の組立およびテスト工場として、NXPが保有するフィリピンのカランバ工場すべてと、STが保有するマレーシアのムーア工場の一部がそれぞれ移譲される。

また、先日、NXPが買収したSilicon Laboratoriesのワイヤレス事業ならびにGloNavのGPS事業も統合する予定だ。

登記はオランダで行われ、本社はスイスに設置される。全世界の従業員総数は約9,000名となり、両親会社からほぼ同数の人員で構成されることとなる。また、明確な所有構造を作るため、STが株の80%を所有する。一方、NXPはSTからコントロールプレミアムを含む15億5,000万ドルを受け取る。これはSTの未払い現金から資金が調達される。

さらに、両親会社はNXPが所有する予定の20%の持分につき、将来の実際の財務結果をベースとする行使価格における(15%スプレッドを伴う)売付選択権ならびに買付選択権(合弁会社設立3年後から権利行使可能)を含む将来の撤退メカニズムについても合意している。

新会社は、2008年第3四半期の取引完了を目指し、関係機関の承認作業や労働評議会との協議が進められることとなる。両親会社は、今後2011年までに新会社から年間2億5,000万ドル以上のコスト効果を予測しているほか、財務的な影響として、STは、この取引が2009年の非GAAPベースの一株当たり利益を増加させることを期待している。