米Adobeは12月4日(現地時間)、「Adobe Flash Media Server 3」のライセンス体系を発表した。H.264を正式サポートしたHD動画配信に加え、HE-AAC(High Efficiency AAC)による高音質オーディオ配信にも対応する。同日発表された「Flash Player 9 Update 3」との組み合わせでFlashによるHD動画配信システムの構築が可能になる。製品ラインナップはStreaming ServerとInteractive Serverの2種類で、両エディションともに2008年1月より提供開始される。

Flash Media Serverは、Flashプレイヤーを介してのオンデマンド/ライブ動画配信を可能にするホストサービス。クライアントがFlash Player 9 Update 3の場合はH.264とHE-AACによる高画質・高音質HD動画配信に対応する。またFlash Lite 3を利用することで携帯電話へのストリーミング配信が可能。2008年初旬にはAdobe AIRをベースにしたメディアプレイヤーの「Adobe Media Player」が登場する予定で、こちらもFlash Player 9 Update 3同様にH.264とHE-AACによるHDストリーミング動画再生をサポートする。

Flash Media Server 3には、ライセンス体系と機能によってStreaming ServerとInteractive Serverの2種類のエディションが用意されるほか、開発者向けの無料ダウンロード版「Flash Media Development Server」が提供される。エントリー向けのStreaming Serverでは、配信に使えるサーバが1台のみに限定されるが、配信帯域/同時接続セッション数は無制限となっている。一方のInteractive Serverは大規模配信向けのエディションとなっており、複数のサーバを組み合わせたCDN(Content Delivery Network)を構成できる。機能的にはFlash Media Server 2のProfessional/Origin/Edgeの3つのエディションを1つの製品に統合したものとなっており、コアサーバとしてCDN全体を集中管理するOriginに加え、エッジサーバとしてCDNにおけるキャッシングや末端への動画/音声配信を一手に引き受けるEdgeの両者の性格を持つ。Adobe独自のRTMPE(Real Time Messaging Protocol Enhanced)によるセキュアなコンテンツ配信が可能なほか、他のサービスやワークフローと統合するための新しいプラグイン・アーキテクチャに対応する。

価格はStreaming Serverが995ドル、Interactive Serverが4500ドル(アップグレード版は1995ドル)となる。