インターネットが主軸となる新しい時代、米Microsoftの戦略はどのようになるのだろうか――。ハンガリーのブダペストで開催された技術カンファレンス「ETRE 2007」(主催: 米Red Herring)にて米Microsoftインターナショナル担当プレジデントJean Philippe Courtois氏が登場し、米Googleとの競争、Microsoftの事業の多角化、欧州連合(EU)との関係などについて語った。

米Microsoftインターナショナル担当プレジデントJean Philippe Courtois氏

「新しいMicrosoft」の取り組み

まず、長期化している対欧州連合(EU)との独占禁止法違反訴訟について、Courtois氏は、8年前にブリュッセルでスタートした「ジャーニー」とたとえた。先月、EU第一審裁判所が事実上Microsoftの敗訴となる裁定を下したが、これについて「遵守する」と述べる。だが、「この8年の間、世の中は変わり、業界も変わった」とCourtois氏。イノベーションと統合(インテグレーション)がこの訴訟の焦点となるが、それについても方法が変わってきたとCourtois氏は述べる。これまでMicrosoftは、2004年春に下ったEUの裁定を再考した結果、(上訴する一方で)欧州向けに「Windows XP」「Windows Vista」を提供することで遵守してきたとCourtois氏は強調した。

裁定を受けてMicrosoftが行ったもう1つの取り組みは、Windowsの基本方針「Windows Principles」の策定だ。Microsoftが昨年した自主規制となるが、Courtois氏はこれを「選択の自由を約束するもの」と説明する。MicrosoftはWindows Principlesで、OEMや顧客に向け他社製ソフトウェアの容易なインストールなどを約束している。今後もこの基本方針に基づき、開発・提供を行っていくという。Courtois氏はこれらの取り組みについて、「新しいMicrosoft」とまとめる。