"自分の時間"の重要性

休息時間の重要性については大部分の中小企業の経営者が認識しており、81%が「今の時間数に満足している」と回答。その一方で、「仕事とプライベートな時間との切り分けはストレスが伴う」とも答えており、理想と現実のギャップに揺れる現場の実態が伺える。さらに、64%が仕事とプライベートを両立させることにストレスを感じているとし、その割合は男性よりも女性のほうがより高かった。

また、全体の64%が「就業時間中のプライベートな時間は重要」と考えていながらも、45%が「その行為自体に罪悪感を感じている」と答えた。さらに男性に比べて約4倍の女性は「業務メールを無視することに対する罪悪感を感じている」と回答した。

さらに全体のうち、59%が「週に数回ほどエクササイズを行っている」と答えた。さらに24%は「毎日エクササイズを行っている」と回答。これにより、全体の8割以上が定期的なエクササイズを行っていることがわかった。

特に1割の女性は「エクササイズ中にアイディアが浮かぶ」と答え、わずか2%の割合だった男性に対して、エクササイズが仕事に及ぼす効果に男女で違いがあることが示された。

一方、男性は18%が「仕事中によいアイディアが浮かぶ」と答え、7割の女性が「睡眠中にアイディアが浮かんで夜中にも目が覚める」と答えるなど、余暇時間がもたらす効果についても、男女間の違いが浮き彫りになった。

仕事と私生活は密接に関係

経営者にとって必要な素質について、34%が「仕事と私生活のバランスを保つための柔軟性」だと回答し、「重圧に負けずに仕事の結果を出す」(24%)、「市場を把握する」(18%)を上回った。

また、経営者の67%が「仕事の代償として、犠牲にしているものがある」と回答。その対象として、トップは「家庭」(52%)。次いで「友人」(42%)、「個人資産」(36%)、「健康」(35%)と続いた。私生活を犠牲にしていると感じている割合を男女比で見ると、女性は65%、一方の男性は73%と、男性のほうがより高い結果となった。

しかしながら、全体の89%は「配偶者やパートナの理解を得ている」と回答。また同様に、81%が「経営者であることが、結婚生活やパートナとの良好な関係に貢献している」と感じ、その割合は男性よりも女性のほうが高かった。

全体のうち、63%が「友人や配偶者など、近しい関係にある人物との仕事は私生活において有益」と回答した。また同様に、61%がそれが「ビジネスにとっても有益」と考えていた。また、90%が「経営者になるにあたって協力的な理解が得られている」とし、57%が「ビジネスについて彼らと日常的に議論している」と答えた。

さらに家族に対するもっとも重要な任務については、全体の32%が「雑用や家事、食料品や日用品の買い出しといった家庭生活に参加すること」と回答した。また、この考えを支持する割合は男性が37%で女性が27%と、男性のほうが多いという興味深い結果となった。一方、「勤務時間中の家族への電話」と答えた割合は、男性が23%に対して女性は32%と高かった。

子どもを経営に参加させたい

子どもを持つ経営者の61%は「子どもたちが経営に参加することを希望する」と回答。47%が「子どもや親戚縁者への経営権の譲渡を計画している」とした。そのほか、30%が「売却」、18%が「従業員への交代を考えている」と答えた。

フラストレーション - その原因は

フラストレーションの最大の要因については、全体の20%が「時間がない」ことを挙げた。これは「従業員の管理」(16%)を上回り、仕事自体や経営に起因するフラストレーションはごくわずかだった。

今回の調査では、男性よりも女性のほうが仕事とプライベートの切り替えが苦手という傾向があることが分かった。一方で、男性は仕事によってプライベートを犠牲にしがちであり、プライベートに仕事を持ち込むことも多い、仕事が趣味になるなど、女性に比べて両者の境目が曖昧になりがちなことも浮き彫りになった。