「第101回 中国進出口商品交易会(広州交易会)」は、今年も4月15日から30日まで、広州で開催された。広州交易会は、改革開放政策が始まる遥か前から開催されており、現在でも中国で最大規模の商品展示商談会だ。いくつもの「中国之最」を誇る広州交易会は、中国経済の台頭にあわせ、いまや世界的にも大きな影響力を持つ。

ところが今年の広州交易会では、TVメーカーの存在感が意外に薄かった。最大の要因は、交易会に出展しない有力メーカーがいくつも出現したこと。康佳(KONKA)、創維(SKYWORTH)、新科(SHINCO)などの中国国内の有力メーカーが初めて欠場した。もう一つは、米国バイヤー離れという現象だ。出展したTVメーカーのほとんどが、米国バイヤーからの受注、引き合いに対して非常に慎重な対応をとっていた。

公式の統計によれば、昨年、中国のTV生産量は約9,000万台。世界生産量の約半分を占め、依然として世界最大のTV生産国の座にある。また、昨年のTV輸出は生産量の約半分の4,673万台となり、一昨年より37.8%増加した。液晶TVの輸出量は1,471万台で、同102%も増えている。中国製TVの輸出国と地域は主に米国、欧州、日本、カナダ、中近東、東南アジアなどとなっているが、そのうち米国向けの輸出が総輸出の二割を占めている。米国は、それだけで中国TVメーカーにとっては掛け替えのない輸出市場。では、中国TVメーカーは、なぜドル箱とも言える米国市場を拒否しようとしているのか。