日本人にとっての国民食とも言えるカレー。そんなカレーを、家庭の懐かしい味から、レストランやホテルといった専門的な味まで、手軽に楽しめるのがレトルトカレーだ。今回は欧風カレータイプから23商品をチョイスし、東京・新宿の老舗洋食店「アカシア」の2代目オーナーシェフ・鈴木康太郎さんに実食してもらった。
結果を発表する前に……。皆さんは、世界で最初に登場したレトルトカレーをご存知だろうか。
1968年に登場した大塚食品の「ボンカレー」。この商品が、世界で最初の一般向けレトルト商品とされている。気密性の高いパウチに入れ、加圧加熱で殺菌。保存性もよく、温めるだけですぐに食べられる便利性で、長年にわたって日本人に愛されてきた。カレーはスパイスから具材まで様々にアレンジできるため商品数も多く、最近では高級路線の商品も登場するなど、ますます選択の幅が広がっている。
また地方色豊かな商品も多く、レトルトカレーのお取り寄せも楽しいのでは? と感じた。オリエンタル(本社: 愛知・名古屋)は、今回紹介する「マースカレー」や「即席カレー レトルト版」以外に、牛スジやイカ墨を使った「なにわの牛すじ黒カレー」(315円)、八丁味噌や三河赤鶏を用いた「肉味噌カレー」(300円)なるものも開発。さらにはインドカレー「男乃カレー」(441円)も揃え、具材は特大ビーフもしくは骨付きチキンから選べるといった内容。「レトルトカレーと言っても今はこんなにも個性豊かなのか」と感じるバラエティ豊かなラインナップで、特に印象に残ったメーカーだ。
話がそれてしまったが、今回試食をしてもらった鈴木シェフは、自身の店でもカレーを販売しており、試食時には特にスパイスの使い方に注目。クミン系・コリアンダー系・クローブ系の3タイプをメインに据えて、香りをチェックした。また、カレーはご飯との相性が大切ということで、カレーソースだけではなく、ご飯に絡めた場合の2パターンでの試食をしてもらった。
試食する料理人
「アカシア」2代目オーナーシェフ・鈴木康太郎さん
先代が1963年(昭和38年)に開業した「アカシア 新宿本店」は、ロールキャベツシチューが評判となり、洋食の名店として知られている。鈴木さんは大学卒業後に店に入り、2代目として手間ひまをかけた伝統の味を守り続けている。ロールキャベツシチュー以外にも、自家製のハム・ソーセージ、ハヤシソース、極辛カレーなど、オリジナルティーあふれる料理開発にも余念がない。
※東京駅グランスタや羽田空港第2ターミナルにも支店あり
ではいよいよ、次ページから試食結果を掲載!
※今回登場するレトルトカレーは前述の通り、幅広い層に親しまれている"欧風カレー"に限定。辛さの程度はすべて"中辛"程度で統一している。