WTP(Web Tools Platform)

Webアプリケーション開発用のプラグインであるWTP 2.0ではJava EE 5での開発が可能になったほか、以下アプリケーション・サーバがサポートされている。

  • Apache Tomcat 3.2、4.0、4.1、5.0、5.5、6.0

  • IBM WebSphere 6.0

  • JBoss 3.2.3、4.0、4.2、5.0

  • JOnAS 4

  • Oracle OC4J 10.1.3、10.1.3.1

また、HTMLやJSPをグラフィカルに編集するためのWebページエディタが追加されている。Webページエディタではパレットからドラッグ&ドロップで開発を可能にするが、まだ実験的な機能であり、いずれにしてもグラフィカルなデザインモードだけでなく、HTML/JSPの直接編集も併用して開発を行う必要はあるだろう。

図 42: WTPのWebページエディタ

WTPのサブプロジェクトとして開発が行われているJSF開発用のJSF Tools、EJB3/JPA開発用のDaliといったプラグインもインストールできるようになっている。JavaEE 5での開発がより身近になるはずだ。

DLTK(Dynamic Languages Toolkit)

ここ数年、Ruby on RailsやAjaxの流行によってRubyやJavaScriptといったスクリプト言語が注目を集めている。DLTKはこれらのスクリプト言語向けの開発環境、ツールのためのプラットフォームに対応することを目的としている。

現在、DLTKでは具体的な実装としてTcl向け、Ruby向けの開発環境を提供している。エラーチェックやコード補完なども可能な本格的なものだ。ただし、いまのところDLTKはインキュベーション中のプロジェクトでありバージョンも0.9と若いため、まだ若干動作に不安定な部分が残っている。今後に期待したいところだ。

図 43: DLTKのRubyパースペクティブ

Eclipse.orgでは他にもPHP向けのプラグインの開発も進められており、こちらはすでに安定性の面でも機能の面でも商用のIDEに匹敵するものとなっている。これらのプラグインは、EclipseがもはやJava開発のためだけのものではないことを示している。

Mylyn

Mylynは「Eclipseにタスク指向のユーザインタフェースを提供する」という一風変わったプラグインだ。まずタスクを登録しておき、任意のタスクをアクティベートした状態でリソースを編集すると、編集したリソースがそのタスクに関連付けられる。パッケージ・エクスプローラーやアウトラインビューなどではタスクに関連付けられたリソースのみが表示されるようになる。タスクごとのワーキングセットが自動的に作成される機能と考えるとわかりやすいだろうか。

Mylynはタスクの管理にTracやJIRAといった既存の問題管理システムを利用することもできる。

図 44: Mylyn