マイナビは26日、「2015年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」の結果を発表しました。同調査は8月1日~29日の期間に実施、国内企業2,195社より回答を得たものです。本連載では、同調査の結果を元に企業の2015年卒採用状況などを紹介します。

9割の企業が「厳しかった」と回答

採用活動の印象について、「前年より厳しかった」という回答は、対前年度比17.0ポイント増の53.2%に。「前年並みに厳しかった」を加えると「厳しかった」という回答は91.0%に上りました。

採用活動の印象

採用が厳しくなった理由としては、「母集団の確保」(63.0%)、「辞退の増加」(45.6%)、「セミナー動員」(40.6%)が上位に。前年は2番目であった「学生の質の低下」は37.7%で、対前年度比6.8ポイント減という結果になりました。「学生の質の低下」を理由に挙げる回答が40%を下回ったのは、2007年卒以来8年ぶりのことです。

「厳しかった」と回答した理由

業界別に見ると、「マスコミ」を除く全業界で、採用活動が「厳しかった」という回答が9割を超えました。中でも、「小売」「建設業」「サービス・インフラ」業界では「前年より厳しかった」という回答が多く寄せられています。

内定基準、文理ともに前年度よりも緩く

同調査で目を引くのが、「内定を出す基準」の変化です。「前年より基準を緩くした」と回答した企業は11.4%にのぼり、7年ぶりに「前年より基準を厳しくした」(8.8%)という企業を上回る結果となりました。

「内定を出す基準は前年と比べてどんなスタンスだったか」

文系、理系学部・大学院ともに、「前年よりも基準を緩くした」という企業が「前年よりも厳しくした」よりも多くなっています。

文理別、内定を出す基準

2015年卒の採用活動は、7月末に発表された「2014年度採用総括」における予想通り、学生確保のための企業間競争が一層激しくなりました。内定基準の引き下げは、企業が予定採用数を達成するためにはやむを得ない選択であったといえるでしょう。