「152cm 37kg Dカップ」な女子って……

ティーンの女性向けファッション誌「Seventeen」に掲載された記事が先日、ネットで話題になった。

問題の記事は「これがオレらの理想女子、夏。」というもの。高校生ら11人の男子が理想の女子について語ったものなのだが、この中身が一部ネットユーザーの怒り(あるいは笑い)を買ったようなのだ。

理想女子「152cm 37kg Dカップ」って……

実際に中身を見てみると、理想の女子として挙げられている条件が「152cm 37kg」というもので、さらに「桐谷美玲さんの細さでこじはるくらいの胸の大きさ」も理想として挙げられている。こじはることAKB48の小嶋陽菜のバストサイズはおそらくDカップくらいと見られているため、このコメントをした男子の理想は、

152cm 37kg Dカップ

ということになる。

これに対してネットでは「鶏ガラかよ」「肉が全部胸にいかないと無理だろ」「栄養失調ですか」などのツッコミが入っているのだ。

ということで、今日はこの問題について考えてみたい。

そもそも、Seventeenで該当の発言をした男子は一人であり、男全体の総意ではないことには注意が必要だ。高校生くらいの男子ということはまだ女性の体のことをよくわかっていないだろうし、グラビアアイドルやアニメキャラの設定をそのまま信じている可能性もある。もしこの話がSeventeenに載ったものではなく居酒屋の会話であれば、先輩からツッコミが入ってそれで終わりだろう。Seventeenに載っちゃったから話がデカくなってしまったのだ。

だいたい、大多数の男が好むのは「ちょっとぽっちゃり」くらいだ。だから、今回の男子学生の理想像はむしろニッチなのだ。「ぽっちゃりを好む男 VS. 同性に見せるために痩せたがる女性」という対立構造についてはもう何十年も前から語られ続けて、とっくに決着した問題だと思っていたのだが、こうして話題はループしていくのかもしれない。ってことは、そのうちまた森ガールとかカメラ女子ブームがくるのかな。

まぁいい。

この男子学生の意見がニッチであるという事実を踏まえた上で、あえて言及していこう。

たしかに「152cm 37kg Dカップ」という女性は少ない。なぜなら、3つの条件に反発しあう組み合わせがあるからだ。「152cm 37kg」という女性はいるだろう(俺の友人にも145cm 32kgという成人女性がいる)。「152cm Dカップ」の女性も普通にいる。しかし、「152cm 37kg Dカップ」になると、極端に数は減るのだ。これは、37kgとDカップが共存しにくい条件だからである。

「年収600万以上 イケメン 35歳以下」

それで思い出したのが、結婚相談所に来る女性が相手に求める条件の高さだ。

例えば結婚相手の条件として「年収600万」以上を求める女性はまだけっこういる。それでいて「普通以上のルックス」と「年齢35歳以下」を求めたりする。

だが冷静に考えれば、「年齢35歳以下」で「年収600万」を満たす男はかなり限られる。年収がそれくらいになるのは、経験を積んで昇進してから。つまりそれなりの年齢になった後である。

そこに「普通以上のルックス」が入ってくると、さらに希少な存在になる。つまり、「152cm 37kg Dカップ」だ。3つの条件は別に「年収・若さ・ルックス」じゃなくてもいい。「年収・若さ・安定性」などでも一緒だ。「年収」と「若さ」は基本的に両立が難しいのだ。「37kg」と「Dカップ」のように。

こう言われると、多くの女性はきっと「いや、そんなことわかってるし。そんな厳しい条件で探してないし」と反論するだろう。その通りだ。そして、俺たち男のほとんども「152cm 37kg Dカップ」なんて理想像を持ってはいない。

別に理想像を持つのはダメなことじゃないし、相手に条件をつけるのも当然のことだ。誰でもウェルカムなんてやつは一番信用ならない。ただ、条件をつけるのなら、それぞれの希望項目が本当に両立しうるものなのかは真っ先に考えるべきだろう。

それにしても、本当に男子学生が「152cm 37kg Dカップ」なんてコメントをしたのだとすれば、「男はわかってない」のが問題なんじゃなくて、「女性の体重に関する話題がタブーすぎて男子には知る機会がない」ことが問題だと思うけどね。

※画像は本文と関係ありません