手ぬぐいが最近見直されている。木綿の平織りで、幅は35cmほど、長さは90cmや100cmといろいろある手ぬぐい。汗を拭いたり、頭に被ったり、ふきんとして代用できるだけではない。端を縫っていないのでビリリと細く裂いてひも状にし、傷口を縛ったり、切れた鼻緒の代わりにしたりするシーンを時代劇で目にした人もいるはず。とにかく何かと便利な日本の知恵のたまものだ。今回は、誰でも作ることができ、日常生活をうるおしてくれる手ぬぐいのアイデア利用術を「染の安坊」代表取締役の北島めぐみ氏に伺った。
染の安坊代表取締役 北島めぐみ氏
代表取締役、「染の安坊」の女将。創業百年を超える日本国内の染屋職人が作る本染商品を東京浅草にてオリジナルデザインで製造販売。「昔主流だった染物(手ぬぐいなど)楽しく生活に取り入れて日本文化を味わう」をコンセプトに、実生活に取り入れやすい使い方の提案とそれを通して日本の伝統産業を伝えていく事業を展開。「大和撫子の手ぬぐい学校」出版。
レベル1 ティッシュカバー
まずは簡単なティッシュカバーから。慣れれば、ぱぱっと作れるし、置き場所や季節によって柄を変えられる。何よりも市販のティッシュカバーと違って洗濯が簡単なのがいい。ただのティッシュの箱を、部屋のワンポイントアイテムにしよう。
■作り方
- 手ぬぐいを左右からふたつ折りにして、真ん中で合わせる。
- ティッシュを真ん中に置く。ティッシュの箱の4カ所(箱のそれぞれの辺の真ん中)に両面テープを貼っておくと作業がより簡単になる。
- 手ぬぐいを、箱に合わせて折る。テープが張ってあると手ぬぐいを固定しやすい。
- 箱の両端の手ぬぐいをそれぞれ結ぶと完成。
レベル2 個性的なペットボトルホルダー
続いてはペットボトルホルダー。ねじった部分が取っ手となり、持ち運びがとっても便利。またペットボトルの水滴も手ぬぐいが吸ってくれるので、カバンの中が濡れることもない。もちろん、周囲の人からも注目されること間違いなしだ。
■作り方
- 手ぬぐいを下3分の1を重ねない状態で折る。その理由は後ほど明らかに。
- 折り目から飲み口が少し出るようにペットボトルを置き、折り目の両端を結ぶ。
- ペットボトルを立て、手ぬぐいをねじる。端の方の片方を、ペットボトルの口の結び目に通してもう片方と結び、出来上がり。この部分を重ねていなかったのは、手ぬぐいを1枚だけにして通しやすくするためだったのだ。
レベル3 ご利益もありそうな和の財布
最後に見た目もお洒落で渋い財布を。大人の雰囲気も漂う上品な財布、しかも自分だけのオリジナル。お金の出し入れの所作も、エレガントに変わってくるかもしれない。これに宝くじを入れて、神棚に置いておくという人もいるとか。なるほど、これなら神様に失礼にならない(?)感じがするし、何だかご利益もありそう。
■作り方
- 手ぬぐいの下3分の1を折る。
- 折った部分を斜めに内側へ折り込む。
- 折った部分の下3分の1をさらに折り重ね、裏返しにする。
- 中央に合わせるように縦に折る。
- 下の袋状になった部分を除いた、上の手ぬぐい2分の1あたりをつまみ、下ろして袋部分に差し込む。
- 差し込んだ布の上の残り部分を、袋部分に重ねるように下に折る。
- それを裏返し、下に余った布を隙間に押し込み完成。
少しややこしいところもあるが、繰り返しチャレンジできるのも手ぬぐいのいいところ。焦らず何度かトライしてみれば、納得できる財布を作ることができる。なお、このままでも充分に使えるが、型崩れが気になる人は両端を縫い付けてみよう。
このほか、トートバッグなど上が開いたタイプのバッグに広げて入れ、中が見えないようにする使い道も。アイデア次第でいくらでも応用できるのが手ぬぐいのすばらしいところであるし、醍醐味ともいえる。伝統の柄、新作など、その種類は数多い。自分好みのオリジナリティにあふれた作品は、生活を豊かにしてくれる。手ぬぐいライフ、始めてみては?
染の安坊
住所東京都台東区浅草1-21-12
営業時間10:30~19:00
定休日不定休