春と秋は花粉症、冬はウイルス対策のため、気付いたら1年の3/4をマスクで過ごしているまずりんです。さて、「デザイナー哀の劇場」、第9回はこだわりの強いクライアント様に関するエトセトラです。

マンガでは色のこだわりについて描きましたが、色については本当に難しいです。というのも、クライアントに確認を出すときは、メールでの画像添付やプリンタ出力で確認を取るのですが、画面やプリンタでは実際の色と異なる色が出るため、印刷で出てきた色校正を見た時に「イメージと違う…」となる時が多いのです。

その色校に赤字を入れ、印刷会社に色を調整してもらって再色校を取るのですが、部分的な色調整などが必要な場合はデザイナーがデータを修正して再入稿します。最初の入稿の際に実際の商品パッケージや印刷物などの色見本をつけて「コレに合わせてください」と印刷会社に指示を出すのもいいかと思います。

イメージ通りの色を出すために特色インクを使ったりもしますが、ほとんど商品パッケージなどの印刷のみで、通常の広告物ではなかなか使いません。印刷の仕組みはかなり難しいので、これからデザイナーになるという方はぜひ調べて覚えておいてくださいね!

多くの色パターンを作ったという経験は、私の実体験がモデルです。マンガのようにそこまで多くは作りませんでしたが、商品パッケージの仕事だったため「すべての色パターンを箱に組み立てる」という悪夢のような作業がありました。両面テープなどで組み立てる訳ですが、時間をかけて組み立てて、確認は一瞬、あとは捨てられるのみの運命となります。テープが付いているので、そのままシュレッダーにかけることもできないんですよね。分解するのも一苦労でした。

では、今回はこんなところで。次回、いよいよ最終回です!

まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。「独身OLのすべて」は単行本化されており、書籍/Kindle版が発売中。

※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。