アイドルグループ・嵐の松本潤と、女優の有村架純が16日、映画『ナラタージュ』(10月7日公開)の大ヒット御礼舞台挨拶に、行定勲監督とともに登場した。
同作は、作家・島本理生による同名の恋愛小説を実写化。高校の時の演劇部顧問教師・葉山(松本)に想いをよせる泉(有村架純)は、卒業以来1年ぶりの再会に想いをつのらせ、葉山の方もまた泉に複雑な感情を抱える。
2人には、サプライズで行定監督からの手紙が読み上げられた。それぞれに対する心のこもった手紙に、感想を求められた松本が「有村さんにまず聞いてください」と促すと、有村は「このようなお手紙をいただいて、今までやってきてよかったなと思いました」と涙を見せた。
松本も「本当にこの手紙をいただけたことが、この映画に参加して一番の宝物なのかなと思います」と感謝した。さらに涙が止まらない有村の姿に、松本は袖のスタッフに自らハンカチを用意するよう指示する。「ここで俺がパッと出せればいいんだけど、ないんだよ!」と悔しがり、「ごめん架純ちゃん! この流れはね、読んでなかったな!」と慌てた様子に。ハンカチが到着し、後ろを向いて涙を拭う有村の姿に、松本は報道陣に向かって「ちょっと写真とか、待ってくださいね」と頼む気配りを見せていた。
松本潤への手紙
僕らが初めて会ったのは、数年前の食事の席でしたね。酔ったきみの熱く、赤裸々な想いに、僕は強いプロ意識を感じていました。創るという行為が好きなきみの心根を知って、何か一緒にやりたいという想いに駆られました。
きみが参加すると言ってくれたことから10年間凍結していた『ナラタージュ』は動き出しました。一本の映画が救われたのです。この困難な葉山先生役を引き受けてくれてありがとう。
現場でのきみは心強い存在だったよ。いつだって場の空気を掴んで、作り手の想いを一番に考えて動いてくれる理解者だった。
そんなに多く言葉を交わしたわけではなかったけど分かり合えた気がしました。
きみは本当は不器用でそのぶん、誰よりも努力してここにいる人なのだと思います。そんな繊細なきみとは、もっともっと自由に旅をしてみたい。次はどんな冒険をしようか? その日を楽しみにしているよ。
有村架純への手紙
本当にお疲れ様でした。大人の激しい恋愛に身を投ずる泉を演じることは精神的にもきつく不安があったことでしょう。覚悟しなければならなかったこともあったと思います。しかし、あなたは泣き言も悩みも打ち明けることなく、自分の心と泉の心を重ね合わせ、ひたすら役に向き合っていました。その苦悩する姿こそ女優のもっとも美しい姿だと思って見ていました。
あなたほど寡黙で芯の強い女優を私は知りません。これまで幾多の努力を重ね、夢を掴み取ったあなたは、本当に女優に拘ってきた人だと思います。あたなは頑なに、これからも演じることに拘りつづけて欲しい。そして、日本映画史に残る女優になってください。あなたなら必ずできると思います。
私が10年間探してきた工藤泉があなたで本当に良かった。ありがとう。