市場動向調査企業である米Gartnerは8月2日、2017年の世界の半導体製造に向けた設備投資額は、前回予測の前年比1.4%増から大きく上方修正され、同10.2%増の777億ドルになるとの予測を発表した。
半導体メモリおよび先端ロジックのウェハプロセス向け製造装置への積極的な投資が続いているためで、Gartnerの調査担当VPである小川貴史氏も、「メモリおよび先端ロジック製造からの装置需要が強く、設備投資が以前予測していたよりもはるかに多く、しかも2017年に集中している。2016年の予測時よりも大きなNAND不足が2017年第1四半期に生じたため、3D-NANDの生産能力向上に向けたエッチング装置とCVD装置が売り上げを伸ばしている」と述べている。ウェハファブ向け製造装置に限ると、2017年の成長率は同17.9%増という高い値となっている。
なお、Gartnerでは最新の設備投資が減少するサイクルの見通しを、2018年から2019年にかけて生ずるとしている。2017年第2四半期のタイミングでは、設備投資が減少へ向かうのは2019年~2020年と予測していたので、それが早まる形だ。設備投資の過半を占めるウェハファブ用製造装置への投資も同様な傾向で2018年がピークで2019年にはマイナス成長となる見通しである。「今後起こりうる最も可能性の高いシナリオは、2018年もわずかではあるがプラス成長を維持するというものだが、主要なエレクトロニクス分野におけるエンドユーザーの需要が予測したよりも弱ければ、設備投資の成長率は、マイナスに転じるだろう」と説明している。